症候群

症候群 (徳間文庫)

症候群 (徳間文庫)

『症候群』西村寿行〈徳間文庫〉
古本屋の店員時代のトラウマ(笑)で、W西村は完全にスルーしていたんだけど、かなり鬼畜な話ということで、取り敢えず着手。


・「症候群」
 謎の老人と巨人に拉致された男女たち。
 彼らは強化ガラスの檻に全裸で監禁されていた。
 老人は彼らの精神が崩壊していく様を観察しようとしていた……


・「癋見の顔」
 残忍なニホンザルの略奪に遭う村。
 しかも、そのサルたちは人間の女を犯すことを覚えていた。
 廃村と化したそこに、逃げてきた不倫の男女。
 復讐のために二人を追ってきた夫は、しかし、そのサルに妻を犯させることに興奮を覚えはじめる……


・「魂魄さながら幽鬼なり」
 ガンによって、性器を摘出する羽目になった大手銀行のエリート。
 彼は妻を愛していたが、徐々に二人の関係が亀裂が。
 そこで、彼女をつなぎ止めておくため、性欲処理用に若い男を雇うことにするが……


・「馬鳴神」
 東北の貧しい村。
 男たちは出稼ぎに行き、残った妻たちは世話を任された男の者になる。
 そんな母が許せない霊子は馬のアオとともに村を出る。
 一方、その山に逃げてきた凶悪犯は、彼女たちと出会い……


・「濁流は逝く者の如し」
 川で水死体となった見つかった経営者。
 彼は、妾と親権争いをしていたため、彼女が疑われる。
 遺体の腹部には巨大な歯形がついており、その謎は……


鬼畜系としては「症候群」と「癋見の顔」が、まぁ良かったんだけど、変な話を求めすぎるようになってしまったのか、両方とも一味足りない。犬は期待したんだけどなぁ(笑)
設定はいろいろだけど、普通に官能小説。エロを抜くと話が成立しません。思考が完全にマッチョで、続けて読むと辟易する。