ANANSI BOYS

アナンシの血脈〈上〉

アナンシの血脈〈上〉

アナンシの血脈〈下〉

アナンシの血脈〈下〉

『アナンシの血脈』ニール・ゲイマン角川書店)読了

何をやってもさえないチャーリー。
父が亡くなり、葬式に出ると、そこで旧知の老女から驚くべき話を聞かされる。
チャーリーの父親は神だったと言うのだ。
しかも、会ったこともない双子の兄弟スパイダーが現れる。
彼はチャーリーとは正反対で、さらに魔法も使えるらしい。
婚約者を寝取られ、仕事をなくし、横領の濡れ衣まで着せられてしまう。
スパイダーを追い出そうとするのだが……

これ、YA小説なの?
普通の社会に実は神様が紛れて住んでいる、ていうのは好きなんで、楽しめたし、リーダビリティもいいんだけど、ちょっと薄い。
ちょくちょく説明がもっと欲しい箇所があるんだよなぁ。
ぱらっと物事が進んじゃうのも平べったく感じさせるのかなぁ。説明しないことにって幻惑させるだけの厚みもないし。その分ひじょうに読みやすいんだけどね。神話系は、もっと深いところに何か潜んでいるような感触が欲しいところ。
いや、最近読んだYA小説より遥かに面白いですよ。歌の力を発揮するシーンとかけっこう好き。あと意味不明のプラム。
字を小さくして、1冊にしてよ……


サンドマン』とか絵本が面白いだけに、ゲイマンはかなり強くヴィジュアルをイメージしてるのかな?
だから、絵がないと、文字通り面白さが半減しちゃうような気がする。
コララインとボタンの魔女』も挿絵が原著と同じくデイヴ・マッキーンだったら、また味わいが違ったんだろうけど。


関係ないけどニーヴン『アナンシ号の降下 (創元推理文庫)』って、このアナンシ?
ケーブル運ぶシャトルの話だし。