THE LOTTERY ; OR THE ADVENTURES OF JAMES HARRIS

くじ (異色作家短篇集)

『くじ』シャーリイ・ジャクスン〈早川書房　異色作家短篇集〉読了
旧版持ってるから古本で買おうと思ってたのに、全部改訳と言うことで購入。
まぁ、未読だったんで、よかったんだけどね。

　収録作品
・『酔い痴れて』 The Intoxicated
・『魔性の恋人』 The Demon Lover
・『おふくろの味』 Like Mother Used to Make
・『決闘裁判』 Trial by Combat
・『ヴィレッジの住人』 The Villager
・『魔女』 The Witch
・『背教者』 The Renegade
・『どうぞお先に、アルフォンズ殿』 After You, My Dear Alphonse
・『チャールズ』 Charles
・『麻服の午後』 Afternoon in Linen
・『ドロシイと祖母と水兵たち』 Dorothy and My Grandmother and the Sailors
・『対話』 Colloquy
・『伝統ある立派な会社』 A Fine Old Firm
・『人形と腹話術師』 The Dummy
・『曖昧の七つの型』 The Seven Types of Ambiguity
・『アイルランドに来て踊れ』 Come Dance with Me in Ireland
・『もちろん』 Of Course
・『塩の柱』 Pillar of Salt
・『大きな靴の男たち』 Men with Their Big Shoes
・『歯』 The Tooth
・『ジミイからの手紙』 Got a Letter from Jimmy
・『くじ』 The Lottery

登場人物は基本的に普通の人。どちらかと言えば、善意の人しか出てこないのに、
読後感はなんとも薄ら寒く、気分が悪い。
原題（THE LOTTERY ; OR THE ADVENTURES OF JAMES HARRIS）にある、
ジェームズ・ハリスとその分身たちは、悪魔的存在であり、
普通の人々がその囁きを聞いて、惑わされ、まさに魔が差してしまう様が描かれている作品が多い。


お気に入りは、
・『おふくろの味』
・『チャールズ』
・『どうぞお先に、アルフォンズ殿』
・『曖昧の七つの型』
・『くじ』
あたりかな。
特に表題作にもなっている『くじ』は何が起きているかはわからず、
登場人物たちも悪いことをしている感覚は（おそらく）ないんだろうけど、
土着的な禍々しさが感じられる作品。
ふと『ウィッカーマン』を思い出した。