THE DEVIL IN VELVET



SF者が「SFも買うものが少なくなって来ちゃったし、次はミステリでも集めようかなぁ」と思い立ったとき、SFとミステリコレクションの橋となる作家がいる。
ディクスン・カーだ。
なぜかSF者と親和性があるんだよね。
まぁ、買うものがなくなったら金を貯めりゃいいのに(笑)

ビロードの悪魔

ビロードの悪魔

『ビロードの悪魔』ジョン・ディクスン・カー(ハヤカワHM)読了。


名作SFミステリ、歴史ミステリリストなんかに必ず載る作品。
前から読みたかったんだけど、やっとこさ先日購入。
依光隆の表紙で欲しかったので、文庫版を探していたのだ。


大学教授のニコラス・フェントン教授は、17世紀に書かれた手記が気になっていた。
それは、自分と同姓同名の貴族フェントン卿の執事、ガイルズが書いたものだった。
そこには、フェントン卿の妻、リディアが毒殺されたことが書かれていたのだが、
肝心の事件の顛末や犯人が失われていたのだ。
どうしても気になるフェントンは、悪魔と契約し、フェントン卿の体に乗り移り、
犯人を見つけ、さらには事件を事前に食い止めようと企む。
しかし、本物のフェントン卿は女好きの上、政治的陰謀にも巻き込まれ、
はたして悪魔を出し抜いて歴史を変えることはできるのか?


50年以上前の作品だけど、古臭さはあまり感じず、堪能しました。
犯人とその謎も、ちゃんとこの設定と有機的に結びついているし。
ただ、主人公がかなりスーパーマンなのは、やはり時代なのかな。
それと、ラストの理想の女ってのがなんか納得いかないんだよなぁ。そりゃないよ、ニック。
原書だと、英語も古風に描かれてるのかな?
火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-1)』『火よ燃えろ! (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)』とかも読まんとね。