ウォッチメンアラン・ムーアデイブ・ギボンズメディアワークス)読了。


マンガなのに、えらく時間がかかった。
いや、この言い方だと、誤解されるかもしれないな。
そこらのSFよりよっぽと面白いとは聞いてたけど、これは凄い。深い。読後に色々考えちゃうね。
ラストの意味、あのコマの意味、という具合に。


マーヴルズ』を読んだ時は、ををっ!『ワイルドカード』! と思ったけど、こっちの方がより近い気がする。


とりあえず、あらすじ。
1985年、もう一つのアメリカ。
ニクソンはいまだに政権につき、東西の冷戦は続いている。
キーン条例のもと、ヒーロー活動は禁止され、
政府下についたコメディアン、神に等しい力を持つDR.マンハッタン、そしてアウトローロールシャッハだけが活動しており、
ほかのヒーローたちは引退していた。
コメディアンが殺害される。
何か怪しいものを感じたロールシャッハは単独で捜査し、かつてのヒーロー仲間に忠告する。
そんな中、DR.マンハッタンがTV生放送中に糾弾され、火星へと消えてしまう。
アメリカの力の具現とも言える彼を失ったため、東西間は一気に緊張する。
さらに、大企業の社長となっていたオジマンディアスが暗殺されかけ、ロールシャッハもまた濡れ衣によって警察に捕まってしまう。
何者かによるヒーロー狩りが行われているらしい。
元ナイトオウルのダンは、同じく元シルク・スペクターのローリーとともに行動を起こすが……


という感じだけど、実際はこんな薄っぺらじゃない。
全ての台詞と全てのコマに仕掛けがある、なんてのはよく使われるような文句だけど、このマンガはまさにそれ。
劇中に出てくる連載漫画にさえ意味がある。


ラストの時計の針は何を意味するのか?
永遠なる平和として0になったのか?
たった一人の手に平和が握られている危険性?
手記が公開されてしまって結局破滅すると言うこと?
正義とは?
悪とは?


……とディスカッションしたいけど、もし、これから読もうという人がいたらネタバレになっちゃうしなー。


1回読んで、注釈見ながら2回目読んで、そして、あちこち注意しながら3回は読めるね。
とにかくオススメ。
漫画を読まないSF者も、アメコミを読まないマンガ者も是非。ただ、絶版なのよね。探す価値あり!


ロールシャッハフィギュアとオウルシップ欲しいなー(笑)