IRONMAN 2

『アイアンマン2』鑑賞


アイアンマンはアメコミ映画として、稀有な作品だと思う。
アメコミに限らずヒーローものの魅力は、回替わり登場する怪人・怪獣に負うところが大きい。アメコミ映画はそれが顕著で、どのヴィランが出るのか、誰が演じるのかが、ヒーローよりも話題になる。
ところが、アイアンマンはトニー・スターク(=ロバート・ダウニー・Jr.)を観たい映画なんだよね。
そういう意味では大変満足。相変わらず魅力的なダメ男がホントに楽しい。女性に話しかけるときの嘘くさい目つきがいいんだよな(笑)


ただ、それと逆説的になっちゃうけど、ヴィランのキャラが薄いのが、それもせっかくミッキー・ロークを配しているのにもったいない。マッチョなインテリを好演してるのに、ヴィランとしてはあっさり。モナコ場シーンの方が印象的なのもなぁ。ブラック・ウィドーの必要性も強くは感じないし。そもそも新キャラ二人がロシア人という設定に全く意味がなかったり、スタークの父への疑念と確執は掘り下げるべきだし、スタークとアイアンマンの評判がガタ落ちする展開もスルーだし、詰め込みすぎという印象はないにもかかわらず全般的に粗い。


とは言っても、みんな楽しみにしていたウォーマシンは出てくるし、ニック・フューリーも大幅増だし、手作りシーンは健在だし、何より携帯版スーツがカッコ良すぎるので許しちゃう(笑)。アメコミは日本のヒーローみたいに「変身!」みたいな変身時の見栄を切る動作が少ないけど、携帯版はまさにそれ。また、他のアメコミ映画がひとつの街の中の出来事にしか見えないのが否めないのに対して、『アイアンマン2』は『マーヴルズ』*1の世界への広がりと変革がある程度表現できている気がする。そりゃ、スタークエキスポ行っちゃうよ(笑)


ウォーマシンと言えば、ローズ役が変わっちゃったのが残念。ドン・チードルはスタークのワガママに付き合わない真面目な軍人にしか見えないんだよなぁ。
スタン・リーは最初のラリー・キング? あと、ピーター・パーカーが出てくるって楽しみにしてたんだけど、出てくるようなシーンなかったよな。


映画としてはメリハリが薄いけど、楽しく見れましたよ。
アイアンマン2』というより、『アヴェンジャーズ0』という感じ。
キャプテン・アメリカ』にも年がほとんど変わってないフューリーが出てくんのかなぁ。


前作同様、エンドクレジット後にお楽しみが。
アイパッチの黒人以上に、アメコミオタ以外ポカーンだったけど(笑)