EL CONGRESO DE LITERATURA

文学会議 (新潮クレスト・ブックス)

文学会議 (新潮クレスト・ブックス)

『文学会議』セサル・アイラ〈新潮クレスト・ブックス〉

奔放なウィットと想像力の炸裂する、アルゼンチン作家の衝撃作。小説家でマッド・サイエンティストの〈私〉は、文学会議に出席する文豪のクローンを作製しようと企む。しかし小さな手違いから大惨事が――。奇想天外な表題作のほか「マオとレーニン」というパンク少女たちと街角で出会った〈私〉がスーパーを襲撃するまでを描く「試練」を併録。世界的名声を誇る作家による、渾身の2篇。

「怪獣パニックものじゃん!」


失礼、思わず興奮してしまいました。


「文学会議」「試練」となんの変哲もなさそうなタイトルの二作を収録。
しかし、ストロベリーアイスクリーム*1を思い出して欲しい。
予想していた行き先と全く違う場所に連れて行かれる。


高速道路わきの一般道を走ってるのに、カーナビでは高速に乗ってることになってたりするじゃん。
それが、カーナビ上では海を走ってる表示になってる、と思ったら、いつの間にか山の中を走ってた、って感じ?


表題作は、フエンテスのクローンを作って世界征服を企む、ってあらすじだけでくらくらするんだけど、冒頭の宝探し(もっと詳しく!)や作中に一度だけ出てくる退行性小型クローン人間〈速度計〉君(もっと詳しく!)やら、そそられるアイデアはしれっと使い捨てるくせに、主人公のうっかり具合や愛しのフロレンシアについて長々と、もう心底どうでもいいw
枝葉末節、ウロウロした挙句の、ぶっ飛んだクライマックス!
なぜ、そこにワープしてしまう?


スタートとゴールがまるで違うと言ったら、併録の「試練」も負けてはいない。
百合? 百合なの!? ねぇ!?
と問い詰めていたら、なんであんなことになっちゃうの?


変な小説をお求めなら、是非オススメの一冊。