死の谷を越えて ―イキトスの怪塔―



死の谷を越えて ―イキトスの怪塔―』橘外男〈盛林堂ミステリアス文庫〉


雑誌掲載のみで単行本未収録だった「死の谷を越えて」を、西荻の古本屋、盛林堂が自費出版


内容的には『私は呪われている』*1所収の「ムズターグ山」「魔人ウニ・ウスの夜襲」を少年向きにリライト&大幅加筆。


読者の多くが感じるように、前半と後半の接続がすこぶる悪い。
前半部分が上記した作品のリライトで、それを受けての後半なわけだけど、これが全くと言っていいほど別の話。
しかし、不満はそこではなく、オチが駆け足すぎて、期待されていた主人公の少年たちの冒険がまるで描かれていないこと。
火星人の侵略に対して、彼らが何を果たしたのかよくわからないんだよね。
どうして、前半のインド奇譚を残したのか悩む。実録風の冒頭はいいんだけけどなぁ。


まぁ、怪作ですw