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駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

駄作 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

『駄作』ジェシー・ケラーマン〈ハヤカワHM404-1〉

ベストセラー作家だった親友ビルが死んだ。追悼式に招かれた売れない作家プフェファコーンは、ビルの仕事場で未発表の原稿を見つけた。誘惑にかられた彼はその原稿を持ち出し、自作と偽って刊行した。思惑通りの大当たりで、一躍ベストセラー作家に成り上がったプフェファコーンだったが……ベストセラー作家を両親に持つ著者が、その才能を開花させたスリラー!

今年は『プリムローズレーンの男』*1『その女アレックス』*2と予想外の展開を見せる小説が目立った年だったなぁ。


その先陣を切ったのが本作のような気がする。


売れない作家で、創作講座を受け持っている主人公が、亡くなった親友のベストセラー作家の仕事場で、シリーズの未発表原稿を見つけ、持ち帰ってしまう。
それに手直しをして出したところ、大ヒットし、一躍ベストセラー作家に。
しかし、彼の秘密を知っているというものから連絡があり……


明らかに反社会行為だけど、それをやっちゃう気持ちはよくわかるし、その行為以上の代償を払わなければならなくなることによって引き起こされるサスペンスというのは、まぁ、つまらなくないけど、及第点止まり。
この作品は、盗作がバレてからがぶっ飛んでる。


上記二作同様、「うそーん!」と声が出てしまったよw
ただ、P188がピークで、それ以降はあまり驚きがないんだよなぁ。
どんでん返し至上主義ではないけど、こういうジャンル横断で驚かせるたぐいの小説なら、もっと過剰にやって欲しかったなぁ。


ラストも期待と違う方向にぶっ飛んでるんだけど、全てを丸く収めるためのデウス・エクス・マキナの配剤と見るべきなのかな。