Trolljegeren

『トロールハンター』鑑賞





よくこんなの撮れたな。
臨場感あふれる追跡、巣に閉じ込められた恐怖、山の如き巨大なトロール……
いや、ノルウェー大使館が後援してるし、最後に大統領のニュース映像出るんだから、ドキュメンタリーに決まってるじゃない。


……
仕方ない。
懐疑主義に染まった人のために、フィクションと仮定しての感想も書いときましょ。
『ブレアウィッチ・プロジェクト』*1や『クローバーフィールド*2のような、偶然撮れてしまった信じがたい体験を収めたフィルムを再編集したというフェイク・ドキュメンタリー。それと同時に、トロールハンターへの密着取材という構成のため、能動的に異世界に踏み込んでいく様は『川口浩探検隊シリーズ』*3に通ずるキッチュさも併せ持っている。


上記した二作品と大きく違うのは、結構初めの方からトロールの存在が明らかにされ、その姿もちゃんと出てくるサービス精神。
トロールは太陽の光を浴びると死んでしまうという「必然性」のため、その姿は夜や暗視カメラの映像でぼんやりとしか映らない。はっきり映らないがゆえにドキュメンタリー性を高めている。


また、フェイク・ドキュメンタリー以前に、トロールハンターが、武装した車で超巨大トロールに単身突っ込み、紫外線照射機で戦うという絵面は、怪獣映画として燃えるものがありますよ。ただ、キリスト教徒の血に引きつけられる、というオカルトな設定がちょっとイマイチかな。
フェイク・ドキュメンタリーにありがちな、ラストのモヤモヤも薄く、割と完結している。
怪獣好きにはオススメ。


まぁ、ドキュメンタリーなんだけどな。


お台場は昼間からやってくれてありがたいんだけど、レイトショーに絞ったほうがよくない?
10人くらいしかいなかったよ。