THE CARDULA DETECTIVE AGENCY

カーデュラ探偵社 (河出文庫)

『カーデュラ探偵社』ジャック・リッチー〈河出文庫リ２−２〉
カーデュラ・シリーズを全作収録した世界初の完全版！

　収録作品
・「キッド・カーデュラ」Kid Cardula
・「カーデュラ探偵社」The Cardula Detective Agency
・「カーデュラ救助に行く」Cardula to the Rescue
・「カーデュラと盗癖者」Cardula and Kleptomania
・「カーデュラの逆襲」Cardula’s Revenge
・「カーデュラ野球場へ行く」The Return of Cardura
・「カーデュラと鍵のかかった部屋」Cardula and the Locked Room
・「カーデュラと昨日消えた男」Cadula and the Briefcase
・「無痛抜歯法」Painless Extraction
・「いい殺し屋を雇うなら」When Buying a Fine Murder
・「くずかご」The Wastebasket
・「さかさまの世界」Upside Down World
・「トニーのために歌おう」Sing a Song for Tony

リッチーは好きなんだけど、まとめて読む作家ではないと思ってる。ひとつひとつが薄くなっちゃうんだよね。それこそ、雑誌やアンソロジーに1本載ってる方が印象的。
ところが、カーデュラ・シリーズはまとめた方が確実に面白かった。
今までバラバラに読んできたときはイマイチだったんだけど、続けて読むとカーデュラの落ちぶれっぷりや飄々とした雰囲気が楽しめる。


お気に入りは、
・「カーデュラの逆襲」　
　一族の者が次々と葬られ、カーデュラがとった、ヴァン・イェルシングへの逆襲方法は？
　vsヘルシングものとしては、この解決は特異かつ傑作。


・「カーデュラと鍵のかかった部屋」
　盗まれた絵画を探して欲しいと依頼されたカーデュラ。
　二人の容疑者の屋敷を探るが……
　カーデュラもののなかでは、一番リッチーっぽいかな。


あとは、非カーデュラもので、「無痛抜歯法」が良かった。
ターンバックルもまとめてくれないかなぁ　。