SETTLED OUT OF COURT

法廷外裁判 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

法廷外裁判 (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

『法廷外裁判』ヘンリィ・セシル〈ハヤカワHM56-1〉
マイミクのオススメで着手。

嘘が大嫌いな社長ロンズデイルは、ライバルの策略によって、殺人罪で告訴され、終身刑となってしまう。証人の偽証によって有罪となったことに我慢できないロンズデイルは脱獄し、さらに、目を付けた名判事や弁護士、事件の関係者を誘拐同然で集め、彼は裁判のやり直しを要求する!

あり得ないことを書くのがファンタジーなら、この作品も十分にファンタジー
しかし、設定こそは「奇妙」なんだけど、真実を明らかにしていくステップは、パズルを組み立てるようにロジカル。嘘に拒絶反応を起こしてしまうロンズデイルに対応するかのように文章も極めてフェア。そして、ラストまでフェア(いろんな意味で)なまま、なおかつ小咄的オチでニヤリ。
ご都合主義だし、裁判以外の描写は興味がないようで、ちょっと素人臭いんだけど、セシルの小説はパーシヴァル・ワイルドと同じように読んでいて楽しい。


ランポール弁護に立つ (KAWADE MYSTERY)』もそうだったけど、イギリスの法廷って、ホントにこんなに芝居がかっていて、どことなくのどかなの?(笑)