セカンドウィンドII

セカンドウィンド 2 (小学館文庫)

セカンドウィンド 2 (小学館文庫)

『セカンドウィンドII』川西蘭〈ジャイブ ピュアフル文庫
待望の2巻!

高校2年になり、南雲学院自転車部に入部した洋。しかし、どうも最近調子が悪い。それは、1年半前のレースで、真一に「ガッカリだ」と言われて以来だった。レギュラーの座を奪われ、岳ともギクシャクするが、それでも闘志が沸かない。そんな中、留学生や新しい同室者との出会いが……

舞台は一気に高校2年。前巻後半で、自分のタイプに悩み始めた洋が、自分の走りを見つけて、チームレースの物語になると思いきや、冒頭から不調。いや、調子が悪いだけならまだしも、やる気がまるで起きない。
そこから這い上がるのが定番だけど、ロードレースはアシストという立派な仕事もあるため、洋はそこに落ちついていくのでは? と心配しながら読むことになる。
しかし、壁にぶち当たるのは洋だけでなく、留学した元同室の翠、レギュラーの座に着いた野中、天才的クライマーである岳さえもある悩みに苦しむ。壁を乗り越えていく少年たちの物語。また、洋は多恵やじいさんのことでも悩み、自転車だけでなく人生への助走が始まる。
村から全寮制の高校になったことで、新キャラも多数出てくるんだけど、やはり後藤だよな〜。キャラ立ちは申し分なく、また彼の人生には暗いものが覆っているけど、常に真剣な生き様は応援したくなる。
この作者は端折り方が上手いんだけど、ここでまた次巻か〜。次は3年、それとも大学か?