TWO TRUTHS AND A LIE

[rakuten:book:12862773:detail]
[rakuten:book:12862774:detail]
『真実ふたつと嘘ひとつ』カトリーナ・キトル〈扶桑社ミステリー キ10-1、2〉

女優のデアは、意味もない嘘の常習犯。ただ、最愛の夫ペイトンについた、ただ一つの嘘だけは常に悩んでいた……。ある日、彼女はハイウェイで女装した男が自殺するのを目撃する。帰宅後、それが親友のクレイグだったと知り、デアは助けられなかったことにショックを受ける。しかし、彼の死には様々な謎が……。デアの母親は動物とテレパシーでコミュニケーションをとる能力を持っていた。それにより、クレイグの婚約者の家に何者かが侵入を繰り返していたことがわかる。はたして、その関係は? 一方、夫に嘘がばれ、彼はデアの元から去ってしまう。さらに、犯人の魔の手が彼女の元にも……

扶桑社のBlogを読んで、つい買ってしまったんだけど、なかなか面白かった。
正直、上巻の途中まではけっこう退屈だったんだけど、動物たちが目撃した断片が示され始めると、全てのキャラクターが秘めていた真相が明らかになっていき、最後まで一気読み。
どんなに親しい人でも、隠し事や嘘はあり、それらとどうやって向き合っていくかというコミュニケーションと、真実を知った後の再生の物語。でも、サスペンスとしてもよくできていて、読者も犯人に気づけるよう、伏線の張り方もフェアだと思う。
動物とテレパシーできるからと言って、動物探偵でもなく、世間を揺るがすような大事件が起きるわけでもないけど、それぞれの隠しておきたかった事実を明かさざるを得なくなっていく課程はドキドキするし、リーダビリティをすこぶるよろしい。
ペットたちもかわいく描かれていて、動物好きにもオススメかな。