STEPS


『異境』イエールジ・コジンスキー角川書店〉読了
先日のコジンスキーショックも冷めやらぬ中、着手。
今日は敢えて、見返し部分のあらすじをそのまま引用。

わたしははるか南を旅していた……。小さな駅。食堂で一人食事をとるわたしに、給仕は面白い秘密ショーがあると囁いた……。車座になった男たちの前に、一頭の大きな動物が引きだされた。それから若い娘が前に進みでて、その動物を抱きしめ、性器を弄びはじめた。娘はゆっくりと着衣を脱ぎだした。動物の器官に、1インチごとにリボンがくくりつけられた。娘は太腿と下腹部にオイルを塗り、動物になめさせた。それからその下に横たわり、両足でそれを抱えこみ、最初のリボンのところまで挿入させた。1インチ、また1インチ。最後のところで、娘の口から長い悲鳴がもれた……。四人の男が行手をふさいだとき、わたしたちは公園の暗い並木道を歩いていた。気がついたとき、男たちが娘の着物を引き裂いているのが見えた。あお向けに押し倒された娘の両足が持ちあげられ、ひろげられた。男たちは娘を入れ替り立ち替り襲った。それから連中は一緒になって行為をはじめた。娘はもう悲鳴はあげなかった。あえぎ声とすすり泣き。それから彼女は吐き、静かになった……。どことも知れぬ土地と、いつとも知れぬ過去をさまよう男。その前に現出する、なまなましい性と暴力の暗黒世界。「カフカセリーヌを彷彿とさせる」と評された。鬼才コジンスキーの問題作!

と、『異端の鳥』以上の凄い暗黒小説を期待したんだけど……
20くらいの短篇で構成されていて、これはそのうちの2作のあらすじ。
でも、そのそれぞれにつながりはなく、また、物語の設定や背景も不明。
表面だけだと、そのまんま、性と暴力の何らかの思索なんだろうけど、コジンスキーの意図の深いところを読み取るには脳力が足りず……
実験小説はやはり苦手だなぁ。