WAR SURF

ウォー・サーフ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ウォー・サーフ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ウォー・サーフ 下 (ハヤカワ文庫 SF ハ 14-2)

ウォー・サーフ 下 (ハヤカワ文庫 SF ハ 14-2)

『ウォー・サーフ』M・M・バックナー〈ハヤカワSF〉読了

23世紀の地球。国家は崩壊し、世界は大企業が治めていた。不老の体を持つ役員階級と、労働者階級。労働争議がまさに本物の戦場と化したその立ち入り禁止地帯に潜入して、それをネットに中継するスポーツ、ウォー・サーフ。世界有数の大富豪ナジール・ディープラは、ウォー・サーフのナンバー1チームの一員だった。しかし、難易度の低いウォー・サーフを立て続けに失敗し、ランキングが急落。そこで、最高難度の、地球軌道上にある衛星工場《天国》へのウォー・サーフを決行。しかし、成功するも、推進器の故障により、《天国》に連れ込まれてしまう。ナジールが目にした、天国の真の姿とは?

面白いかというとそうでもないんだけど、かと言って、つまらなくもないんだよね。
リーダビリティはいいものの、主人公がひたすら嫌な奴というか、バカチンで読んで手かなりイライラする(笑)
読む前の想像とかなり違った展開で、読んでる最中の予想とはまた違うラスト。下巻の後半あたりからが面白い。もっと、ポスト・サイバーパンク的な作品かと思ってたけど、贖罪と再生、新・創世神話ってところかな? 
主人公たち特権階級は一見不老不死だけど、その中身は最高のテクノロジーでも治せないダメージでボロボロ。また、地球上からは消滅してしまった自然(いろんな意味で)が、衛星内部では繁茂していたり、なかなか皮肉っぽい。
結局、工員たちが突然消えた理由とか、子供だけが大勢生き残ってる理由がイマイチわからないまま終わっちゃったんだけど、読み飛ばしてる?