2005年11月号

S-Fマガジン 2005年 11月号

S-Fマガジン 2005年 11月号



今月は、マイケル・クライトンの新刊『恐怖の存在』に合わせて『地球環境問題SF特集』
いつもながら、マイケル・クライトンの新刊って特集されるけど、
出るのはSFじゃなくて、NVなんだよね。


翻訳は、講演録入れて3本


『エリカの海』……G・デイヴィッド・ノードリイ
 捕鯨反対団体の監視船。
 ある日、怪我をして弱ったクジラを発見する。
 しかし、そのクジラには奇妙な傷が……
 ラストは、なぜかドキッとしてしまいました。
 全てが丸く収まる環境対策なんてものはなく、そこに知性が挟まればなおさら。
 よかれと思っていることでも、違う方から見れば……
 環境問題の難しさを描いた短篇。
『ベアーズ・ベイビー』……ジュディス・モフィット
 地球はヘフン人によって支配されていた。
 世界中に出産制限がされ、自然環境も回復していた。
 デニーは動物学者で、熊の追跡をしている。
 しかし、まだ数年かかるはずの観察が、突然、ヘフン人から転勤命令が出る。
 逆らえば記憶消去刑にかけられるのだが、納得できない彼は、
 密かに熊を観察していた地点に戻るが、そこで見たものは……!
 全世界を超越し、非人間的な政策をとらないと、ドラスティックな環境改善は行えない、
 というようなアイデアの作品。
 『寄生獣』のオープニングでもその意見が出るけど、雰囲気は『V』を思いだしてしまった。
 なんか尻切れトンボで終わるかと思ってたら、長篇化されてるそうで。
『人類が直面する最大の課題』……マイケル・クライトン
 環境保護運動の偽り、という講演録。
 ここで言ってること、ホントなの?
 ウソと真実をどこで見分ければいいわけ?
 けっこう恐い話。


「サはサイエンスのサ」は、耳マウスで有名なティッシュ・エンジニアリング(組織工学)


「デッド・フューチャーReMIX」は先月に続いて、『海底2万リュー』
楽しみだった潜水艦の話題ではなく、ネモの正体について。
先月の続きは書いてくれるの?


「SF BOOK SCENE」は吸血鬼
今月ハヤカワFTから出るタニア・ハフのシリーズも紹介されてるんだけど、
なんか期待してるのと違いそう。新刊で買おうと思ってたんだけど……


「MAGAZINE REVIEW」は〈アナログ〉誌
『Standard of Success』ジョン・G・ヘムリー
『Letters of Transit』ブライアン・ブラント
『Footsteps』シェイン・トゥートロッテ
『The Little World』カール・フレデリック
が面白そう