STRANGER THINGS HAPPEN

スペシャリストの帽子 (ハヤカワ文庫FT)

スペシャリストの帽子 (ハヤカワ文庫FT)

SFマガジンで3作読んで、
その内、2作はさっぱり意味が分からず、
もう1作は割と好みだったので、見極めるために文庫を購入。
スペシャリストの帽子』ケリー・リンク(ハヤカワFT)読了。


ネットで読書日記を書いている人は、
多かれ少なかれ、自分の味わった感動を共有して欲しい(と思う)から、
なるべくオススメっぽく書くけど、
どうもリンクの作品は声を大にして言いにくい。


面白いとかつまらない以前に、全く意味が分からない。
SFマガジンで読んだときにそう言う感想だったんだけど、
文庫でもやはり意味不明。
電車で首捻っちゃったよ。


巻末の解説で、
最近のアメリカ女流作家はノンリアリズムの方向てなことが書いてあったけど、
まさにそのとおり。
他人様の夢日記を読んでる感じ。
場面のつながりとか、キャラクターの行動が、
夢の中だけの論理みたいな感じかな。


収録作品
カーネーション、リリー、リリー、ローズ』
『黒犬の背に水』
スペシャリストの帽子』
『飛行訓練』
雪の女王と旅して』
『人間消滅』
『生存者の舞踏会、あるいはドナー・パーティー
『靴と結婚』
『私の友人はたいてい三分の二が水でできている』
『ルイーズのゴースト』
『少女探偵』


そんなわけで、あらすじも書けない。


とりあえず、表題作『スペシャリストの帽子』
世界幻想文学賞受賞。
無名の作家の研究をするために、
彼が住んでいたと言われる屋敷に越してきた父と双子の娘。
何故かその屋敷のことに詳しいベビーシッターの少女は、
スペシャリストという謎の存在のお話をしてくれて…… 
無理矢理書くとこんな感じ。
この作品が一番わかりやすかったかな。
世界むかし話で見た『エミリーの赤い手袋』や
超マイナー映画『地下室の魔物』(また見たい……)に雰囲気が似てたかな。


基本的に勇者が旅をして魔物を退治した、みたいなあらすじがないんだよな。
とにかくわけが分からない。
深読みできるのかなぁ。
ただ、以前読んだ『私の友人はたいてい三分の二が水でできている』と『ルイーズのゴースト』が以外に面白かったので、
再読すればもっと味わえるのかも。


この空前のファンタジーブームに、
こんな短篇集をファンタジーとして出してくれた早川に拍手。