『書物の話』

『書物の話』ニコライ・イミノルフ=ソコリスキイ(図書出版社)読了。
ソビエト(当時)の俳優にしてコレクターが書く、ソビエト稀覯本の世界。
ソビエト稀覯本の歴史は、同時に弾圧と抵抗の歴史。国家から禁書指定されたために稀覯本になってしまうというものが多い。
だから、ほとんど数えるほどしか残ってない本ばかり。
一冊ずつその本のエピソード、稀覯ランク、入手したいきさつが書かれていて面白い。
自分で現物を手にし、書誌や書誌学者の間違いに対して鋭い批判を発する。


ただ、いつも偉大なるソビエトの〜というまとめ方なのがちょっと。
どうしても、北の国とだぶっちゃう。
でも、必ず、私は持っている、残念ながらまだ見たことがない、たったの○○ルーブリで手に入れた、だのと毎回書いているのを見ると、書痴は時代・思想・国境を越えて、同一の遺伝子を持った種族だね(笑)
ちなみに、ロシアの本は洋書ではないそうだ。洋書とは西欧系の本を指すとか。
厚いし、ロシア人の名前はさっぱり覚えられなかったけど、退屈はしない本でした。