BY THE SWORD
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『運命の剣』マーセデス・ラッキー(創元推理文庫)読了。
やっと、タルマ&ケスリーの続きが出た。
続きといっても、彼女たちが主人公ではなく、ケスリーの孫娘ケロウィンが主人公。
二人も、孫がいる歳になってしまったのだ。
三部構成で、修行の10代、傭兵の20代、隊長の30代。
和製のYAファンタジーだと10代20代で書くんだろうけど、
一気に30まで書いちゃうのがなんとも海外ファンタジー。
己の才覚を十分に使って、人生を切り開いていくタフなヒロインってのも、向こうの女性作家によく見られるね。
個人的には、30代の隊長時代が一番面白かったかな。
でも、主人公があんまり面白くないんだよな。
ばあさんになったタルマが存在感ありすぎ。
多分、『魔女の宅急便』のバーサみたいな感じ(笑)。
魔剣〈もとめ〉が邦題にもかかわらず、それによってのエピソードがない。
以前の作品では、それに引っ張られて事件に首を突っ込むパターンだったからな。
まー、前のは短篇だから、その方が書きやすかったんだろうけど。
それでも、なんか単なるヒーリングアイテム扱いみたいになってるのがつまらん。
あと、ラストがハッピーエンド過ぎ。
そりゃ、ハッピーエンドの方が好きだけど、ケロウィンに都合がよすぎるのが難。
文句ばかりだけど、それなりに読める。
そして、とうとう、ヴァルデマールにかかわってきた。
次はタリアが主人公のものを翻訳するとあったけど、以前教養文庫から出た『運命の矢』とかも再訳するのかな?
竜王戦記みたいにとは言わないけど、年に2冊くらいは出して欲しいなー。