アーサー・C・クラークのエッセイ『スリランカから世界を眺めて』(ハヤカワNF)と『楽園の日々』(早川書房)読了。


前者は題名のとおりスリランカの話と科学講演やエッセイをまとめたもの。
後者はクラークの『アスタウンディング』誌の思い出に沿って綴られたエッセイ。
原題が『ASTOUNDING DAYS』なんだから、『驚きの日々』とかそんな風にしてくれればいいのに。


さて、エッセイっていうのはたいてい軽く読みやすいものだけど、クラークのは小説並に字がぎっしり。
まー、面白いから辛くなかったけどね。
かなり自慢入ってるけど、事実だし、そこがまた面白い。
アポロ15号の宇宙飛行士から送られたプレート持ってたり、
スリランカ在住外国人の税金の法律には通称クラーク法とついてるだとか、そんな話ばっか(笑)
また、アシモフとは仲がよかったのが分かる。
『黒後家蜘蛛』でよく出る、ブリタニカ大辞典ネタがここにも登場。
クラークの説明の方がアシモフより長そうだ(笑)。
有名なのがお互い「世界第1位の科学解説者にして第2位のSF作家」と呼びあっていること。そんだけ言えるのも凄いけどね。


衛星放送の論文を世界最初に発表したことは有名だけど、20年以上前に、今に廉価の個人用通信機(ちゃんと電話帳のことも言及している)を世界中の人間が持つはずだ、と言っているのはさすが。