The Travel Tales of Mr. Joseph Jorkens and Other Tales
- 作者: ロード・ダンセイニ,荒俣宏
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1982/12/31
- メディア: 文庫
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品が悪くて小汚ない家々が立ち並ぶ一角にそのクラブはある。ビリヤード台も置けぬほど狭いその酒場、特別なワインや素敵なショーがあるわけではない。実のところ、そのクラブが自慢出来るものなど何もない。ただ、そのクラブでうまくジョゼフ・ジョーキンズと名乗る古株の客に出会えれば、楽しい一夜が過せるという寸法。世界中のあちこちを見聞して来たというこの男、天性のストーリイ・テラーの才に酒の酔いも手伝って、弁舌も軽やかに今夜も奇妙奇天烈な物語を紡ぎ出す。今世紀最大の幻想作家ダンセイニの“陽”の部分を代表するホラ話集。
「ジョーキンズの奥方」
「柳の森の魔女」
「妖精の黄金」
「大きなダイヤモンド」
「最後の野牛」
「クラコヴィリッツの聖なる都」
「ラメセスの姫君」
「ジャートン病」
「電気王」
「われらが遠いいとこたち」
「ビリヤード・クラブの戦略討議」
ロード・ダンセイニはほとんど読んでないのに、COCOさんの表紙と豆本目当て(外れたけど)で、前情報なく手にとった『ウィスキー&ジョーキンズ』*1は、まさかの、好みに直球な作品集でした。
大昔にハヤカワFTから出た『魔法の国の旅人』も同じくジョーキンズ・シリーズと知り、早速着手。
とっくに持ってたんだけど、表紙から、他と同じ妖精/幻想譚だと思ってたよ。カバーアート大事w
あとがきによると、第2巻も編めれば、とあるけど、売れなかったのかなぁ……
『ウィスキー&ジョーキンズ』の時も思ったんだけど、「ジョーキンズの奥方」のような恋愛話は、妙にリアリティがあるんだよね。
ここからすると、やはりジョーキンズの語りは実は本当なのかも。または、映画『ビッグフィッシュ』*2のように大げさにしているだけで、同じような経験をしているとか。
お気に入りは、「ジョーキンズの奥方」「大きなダイヤモンド」「ジャートン病」「われらが遠いいとこたち」あたり。
ジョーキンズものは90篇もあるんで当然なのかもしれないけど、『ウィスキー&ジョーキンズ』とは重複している作品はないので、気に入った方は、こちらも読まれることオススメします。