コドモノセカイ

コドモノセカイ

コドモノセカイ

『コドモノセカイ』岸本佐知子・編〈河出書房新社

とても孤独で、暗くきらめく、幼いときだけ見えていた、決して忘れられない小さな世界たち。名翻訳者が「子供」をテーマに選りすぐった、アリ・スミス、ステイシー・レヴィーン他12篇。


収録作品
「まじない」リッキー・デュコーネイ
「王様ネズミ」カレン・ジョイ・ファウラー
「子供」アリ・スミス
「ブタを割る」エトガル・ケレット
「ポノたち」ピーター・マインキー
「弟」ステイシー・レヴィーン
「最終果実」レイ・ヴクサヴィッチ
「トンネル」ベン・ルーリー
「追跡」ジョイス・キャロル・オーツ
「靴」エトガル・ケレット
「薬の用法」ジョー・メノ
「七人の司書の館」エレン・クレイジャズ

「子供」をテーマにしたアンソロジーだからといって、岸本佐知子が編者ならば、安心して不安になれるw


奇妙、幻想、恐怖を描いたものばかりなんだけど、共通してるのは、当然、在りし日の物語ということなんだよね。
容姿が変わったことに気づいた瞬間、真実に気づいた瞬間……「その瞬間」を過ぎた後、以前の自分には戻れない。
それが成長であり、そこにあるのは、未来への希望か、失われたものへの寂しさか。


みんないいけど、お気に入りは、「ブタを割る」「ポノたち」「薬の用法」。
特に、「ポノたち」の、「あれ? ポノたちは?」感はすごい好き。
既読は「最終果実」と「七人の司書の館」。これもいいけどね。


それにしても、毎度、「岸本佐知子・編」が「岸本佐知子・変」と変換されてしまうのはどうにかならないかw