The Equalizer



『イコライザー』鑑賞


デンゼル・ワシントンが、アカデミー主演男優賞を受賞した「トレーニング デイ」のアントワン・フークワ監督と同作以来13年ぶりに再タッグを組んだアクションサスペンス。共演に人気女優クロエ・グレース・モレッツ。元CIAエージェントのマッコールは、いまはホームセンターで働く、ごく普通の真面目な人間として生活していた。しかし、ある夜、なじみのカフェで娼婦の少女テリーと出会い、彼女を囲うロシアンマフィアの非情さに、内に眠っていた正義感が目を覚ましていく。かつてのマッコールは、身のまわりにあるあらゆる物を武器に変え、警察では解決できない不正をこの世から瞬時に消してしまう「イコライザー」と呼ばれる男だった。マッコールはテリーとの出会いから、再びイコライザーとしての仕事を遂行していく。

たぶん、予告を見て、みんなが思い描いている内容は『イコライザー2』ですw


もしかしたら、ネタバレ気味かもしれないので、見に行こうと思ってる人はスルーの方向で。
ああ、スルーされる前に。最近のアクション映画の中ではずば抜けて面白い。嬉しい誤算。
MASTERキートン』の「赤い風」と「プロフェッサー」の話をくっつけたような内容。あと『マクガイバー』が好きな人にもオススメ。


イコライザー・ビギンズ』でしたw


予告だと、昼はホームセンターの店員、夜はどんな相手でも19秒で始末する仕事人イコライザー、てな感じの作品に見えるけど、全然違うんだよね。さんざん流れてる19秒のシーンは最初だけで(しかも19秒はたまたまだし)、そもそもイコライザーってなに?


映画的には意外に長い作品(132分)で、最初の30分くらい、アクションも、バイオレンスな出来事も起きず、主人公ボブの日常が丁寧に描かれる。
整理整頓された部屋、スニーカーも手入れするような几帳面な性格、職場では愛され、腕時計のストップウォッチがクセで、夜は常連のダイナーで読書、という毎日を送ってるんだろうな、ということが多くを語らずとも伝わってくる。


それに限らず、この作品、説明セリフが多い作品が目立つ昨今、かなりそれが少ない。
そもそも、主人公の正体も、どうやら元CIA最強の暗殺者(?)ということがわかるくらい。奥さんも、彼の仕事が原因で死んだのかな、と観客の判断と想像力に委ねられる。
説明が少なくていい作品と悪い作品があると思うんだけど、これは明らかに前者。演出とデンゼル力で納得させられてしまうw 普段の穏やかな生活の中でも、只者ではないのがわかるんだよね。


ハリウッドアクションは結局ラストはドンパチか殴り合いになっちゃうイメージだけど、ちゃんと最後まで、特殊技能である「身近なもので殺傷する」で戦ってくれるのが嬉しい。銃も極力使わないし(足がつきやすいという理由がある)。
まぁ、ホームセンター勤務は仕込み入ってるけどw ハンマーをちゃんと売り場に戻すのが律儀というか迷惑というか。
ちなみに、敵の殺し方はコルク抜きやら、高枝切りバサミやら、ドリルやらで大変痛そう。


スーパーマン過ぎるきらいがあるかもしれないけど、個人的にはもっと無敵でもいいと思ってる。
結構キャラ立ちしてるロシア最高のマンサーチャーみたいのが出てくるんだけど、完全に瞬殺で笑える。
続きやってくれるなら、人間ドラマを濃厚にして、戦闘シーンは苦戦もしてほしくないなぁ。


ちょっと気になってるのが、ダイナーのおやじは仲間?
ダイナーで敵を倒す時の席を外したりトラックが止まるタイミングが良すぎるのは、彼が事情を知ってるようにみえるんだよなぁ。情報通だし。


あと、ロシアン・マフィアの中ボスがやられて、本国から大物がやってくるって『デクスター シーズン7』*1と同じなんだけど、そういうイメージなの?


ヒロインは、クロエ・グレース・モレッツじゃなくても良かったかなぁ。