NO



『NO』鑑賞


「バベル」のガエル・ガルシア・ベルナルが主演し、第85回アカデミー外国語映画賞にノミネートされた社会派ドラマ。「Post Mortem」「トニー・マネロ」でチリのピノチェト独裁政権を題材に描いてきたパブロ・ラライン監督が、同政権の終焉を描いた。1988年、ピノチェト政権への国際的な風当たりが強まる中、ピノチェトの任期延長の是非を問う国民投票の実施が決まった。任期延長に反対する「NO」陣営は、若き広告プロデューサーのレネを採用してキャンペーンを展開するが……。日本では2012年・第25回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されて上映され、13年・第10回ラテンビート映画祭でも上映。14年に劇場公開。

同時期に『族長の秋』*1を読んだこともあるんだけど、どうして軍事独裁政権はどれもこれも揃って同じようなルートをたどるんだろうね。


国際世論の風当たりで国民投票をすることになったピノチェト独裁政権。しかし、反対派〈NO〉陣営に与えられたのは毎日15分の政見放送だけ。そこで、若き敏腕広告マンが雇われるが……


そこで作られるのが、スカっと爽やか〈NO〉陣営! みたいなw


予告だと、さもCMによって独裁政権が崩壊したような印象を受けるけど、完全に限界が近づいていて、CMがひと押しになったという感じ。


面白いのが、この主人公自身は、ピノチェト政権に対して賛成も反対もなく、国民の心をつかむキャッチーなCMを作ることだけにしか興味が無い。だから、ピノチェトによって拉致や拷問された証言映像などは暗いからカットしろ、というほど。先に賛成派から声かけられたら、そっちをやったんじゃないかなぁ、と思ってしまう。


対する政権派は、何をやられようが勝てると踏んでいるので、まぁ、適当に作ったCMのダサいことw
〈NO〉派のCMが評判になるに連れ、焦りが見え始めて作ったのが、そのパクリというセンスの無さ。
主人公の上司が政権派に着くんだけど、うちのはダメだなぁ……という顔が笑える。