The Girl in the Clockwork Collar

少女は時計仕掛けの首輪を填める スチームパンク・クロニクル (竹書房文庫)

少女は時計仕掛けの首輪を填める スチームパンク・クロニクル (竹書房文庫)

『少女は時計仕掛けの首輪を填める』ケイディ・クロス〈竹書房文庫く4-2〉

“影の人格”を持つ少女フィンリーは仲間たちと飛行船でニューヨークを目指していた。殺人容疑で故郷アメリカに連れ去られたジャスパーを救うために。彼を連れ去ったのは、昔入っていたギャング団のボスであるレノ・ダルトンの一味だった。罠にはめられたと知ったジャスパーだが、恋人を人質に取られてしまう。誘拐の目的は、ジャスパーが盗んだエーテル装置を取り返すことだった。天才科学者ニコラ・テスラの発明したその装置は、恐ろしい力を秘めているらしいのだが……。ニューヨークに到着したフィンリーは、ダルトンのギャング団へ潜入するため、地下闘技場で行われる格闘トーナメントへの出場を決意する――! 舞台をアメリカに移して、奇妙な機械と特殊な能力を使ってギャング団と戦う少年少女たちの活躍を描く、スチームパンクSF第2作!

スチームパンク・クロニクル第二巻。『少女は鋼のコルセットを身に纏う』*1の続き。クリフハンガーで終わった前巻の、完全なる続きなので、単品ではあまり楽しめないと思う。


前巻で思ったとおり、スチームパンクよりも少年少女のキャラクターの惚れた腫れたを描きたい作者のようで、その点は成功していて、主人公たちは生き生きとしている。影の人格との葛藤がなくなった分、フィンリーも自由に動き回り、彼女の可憐かつエネルギッシュな姿は読んでいて楽しい(それでも、二重人格は残しておいた方が良かったと思うけど)


ただ、やはりスチームパンクらしさは薄いんだよなぁ。
スチームパンクはガジェット先行のジャンルだと考えているんだけど、テスラの珍妙マシンとかサイボーグが出てくるのに、何か印象がないんだよなぁ。
このキャラクターに、ガジェット感がプラスされれば、魅力はもっと増すはずなのに。


まぁ、主人公たちのキャッキャウフフを愛でる小説なのかもなぁ。グリフのことは好きだけど、身分は違うし、そもそも彼は私のことをどう思ってるのかしら? とかそういうの好きだけどさw
そういう意味では、ダンディが現れず、三角関係がなかったのが残念。