Divergent



『ダイバージェント』鑑賞


全米で大ヒットしたベロニカ・ロスのヤングアダルト小説シリーズを、「ファミリー・ツリー」のシャイリーン・ウッドリー主演で映画化。全人類が16歳になると強制的に5つの共同体(ファクション)に振り分けられ、その中で生涯を過ごすことで平和を築いた近未来世界。少女ベアトリスは、ファクションに振り分けられる「選択の儀式」において、「勇敢(ドーントレス)」「無欲(アブネゲーション)」「平和(アミティー)」「高潔(キャンダー)」「博学(エリュダイト)」のどのファクションにも該当しない「異端者(ダイバージェント)」であると判定される。異端者は、その存在自体が知られてはならず、政府の抹殺対象でもあることを知った彼女は、儀式の結果を偽って「勇敢」のファクションに所属し、名前もトリスに変えて身を隠す。軍事・警察の役割を担う「勇敢」での厳しい訓練で徐々に強さを身につけていくトリスだが、何者かによる異端者暗殺計画が動き出し、その身に危険が迫る。

同名小説*1の映画化。
アメリカのYA小説(に限らないけど)によくある、全体主義的未来で異端者の少女が世界を変える系のお話。


ファーストルックで『ハンガー・ゲーム*2っぽいなぁ、と思う人が多いと思うけど、実際、感触はよく似てる。
主演のシャイリーン・ウッドリーが、またジェニファー・ローレンスに雰囲気似せてんだよなぁ。


思ってたよりは退屈しなかったんだけど、それでもこの内容で139分は長すぎる。
面白いか、つまらないかの二択ならつまらないですよ。
それでも擁護すべきは、予告の「性格診断」は語弊がある。「博学」は性格じゃないよ。劇中で言われているように「適性検査」の方がまだ座りがいい。それでも変だけど。


SF脳を回転させて、未来に大激変があって、平和のために人間が五つの派閥に別れざるを得なかった(もしくは脳が変化した)というのはよしとしよう。
ただ、どこにも属さない「異端者」がなんで脅威で、どういう能力を持っているのかよくわからないんだよね。
さらに頑張って行間を読んであげるなら、思考が固定化された人類において、「異端者」は想像力があるのかなぁ、という風に見ることはできる。
また、実は落伍者の最底辺カーストも存在していて、それと「異端者」の差異も映画ではイマイチ不明。「異端者」はなんでもできるっぽいけど。


映画の筋では、政治を担う「無欲」に対して、「博学」と「勇敢」が組んでクーデターを起こす、というものなんだけど(この時点で平和じゃないじゃんw)、それと「異端者」を抹殺せねばならない、というのは別問題だから、なんか物語の噛み合わせがよろしくない。


五つの派閥に別れているといっても、映画内では「平和」と「高潔」がほとんど出てこないから、世界観の奥行きは浅い。
あと、工業製品とか建築は誰が作ってるの? 娯楽や芸術も不必要とされている世界なの?
柵の向こうがどうなっているのかは、この際不問にしてあげるけど。


このへんの疑問は原作ではフォローされてるのかなぁ。


いかにも第一部なんだけど、続きは120分以下でない限り、観るつもりはない。