血界戦線(9)

9巻はツェッドとK・Kが主人公の「鰓呼吸ブルース(前後)」と「BRATATAT MOM」2エピソードを収録。


ツェッドの来歴が語られ、チェインの普段見られない表情が見られ、最後は逆さ泡鉢が持ってくという構成(未読にはなんのことやら)
この世界でも「伯爵」は強大な存在なのね。


両篇とも、シリアス、コミカル、アクションのブレンドが絶妙。しかし、個人的にはK・Kの話が、好きすぎて困る。


これまで、息子がいることと旦那が日本人(日系?)ということ以外プライベートが語られていなかったK・Kの家庭がついに明らかに!
旦那さんは普通の人っぽいけど、K・Kの仕事は知ってるのね。


二つの重要ミッションが同時進行するエピソード。すなわち、麻薬組織への強襲と息子の授業参観!
二つの音を同時に「聞かせる」ことができる漫画の特性を活かした構成は、コミカルとガンアクションが得意な内藤泰弘ならでは。
にこやかに授業参観に出ている一方で、遠隔操作の超マシンを操るK・K。
全体を通した緩急のリズムは見事。
回想シーン内でもシリアスとコミカルの呼吸がしっかりととられている。スティーブンの嫌味もさることながら、クールで遠い目をしながらのパトリックとの電話のやりとりは最高。沈黙がギャグになっている。
授業参観→遠隔操作→ケレン味たっぷりの超マシンの見開き、という天丼を続けると思いきや、3回目で物語全体を通しての敵、ブラッドブリードが登場という鮮やかさ。
その正体と結末も無駄がなく、お見事です。


表紙は、9巻にして、ようやくレオ。
次はネジくんだなw(サイン会でネジくんをリクエストするほどネジくん好き*1


そして、兄メカ!

*1: