Prisoners



『プリズナーズ』鑑賞


2010年に発表した「灼熱の魂」が第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、世界的にも注目を集めたカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブのハリウッドデビュー作。娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父親の姿を描いたサスペンススリラー。家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でひとりの少女が失踪する。手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする。父親役にヒュー・ジャックマン、事件を担当する警官役でジェイク・ギレンホールが主演。

てっきり、明らかに娘を誘拐した犯人なのに、証拠が無いために釈放された男を、少女の父親が裁くのは正義か否か、的な社会派ドラマだと思い込んでたんだけど、よく出来たミステリでした。


本当に男は犯人なのか、違うのか? 少女の生死は? 何十年も前から起きている行方不明事件との関係は? 迷路の謎は? いくつもの謎が展開される一方、父親の狂気は加速し、容疑者を殺しかねない状況と彼を疑い始めた刑事、と重層的なサスペンスが構築されている。


個人的には、アメコミヒーローを考える良い資料になった作品。ウルヴァリンとローズが出ているのは無関係w
正義のためなら法を犯してもOKというのはアメリカ的だよなぁ。それに加えて、「神よお赦し給え」という免罪符。
実際にヴィジランテ活動したら、やはりヤバイことを再確認。作中でもはっきり言われてるけど、狂ってなければできない。
一方のヴィランもコスチュームなければ単なる異常者。アメコミっぽく言うならメイズと名乗るだろうけど、変態以外の何物でもない。
素顔という生々しさが、たとえ相手が犯人だろうとも、ヴィジランテ活動は、正義に見えないどころか、少女の誘拐以上の狂気として描かれている。


ポール・ダノは優しい顔してるのに、変な役ばっかで、かつハマるなぁw