The Shakespeare Thefts : In Search of the First Folios

1623年に初のシェイクスピア全集として刊行され、21世紀にいたって6億円で落札された世界でもっとも高額な書物、ファースト・フォリオ。このコレクター垂涎の稀書が、400年の間にたどってきた数奇な運命をめぐるエピソード集。富豪、泥棒、愚者、変人、フォリオの魅力にとり憑かれ、人生を翻弄された人々の悲劇と喜劇。

そもそも、ファースト・フォリオとはなんぞや? ということなんだけど。
1623年に刊行されたシェイクスピア全集の第一版のこと。当時は戯曲なんぞを豪華本で、と小馬鹿にされたらしいけど、結果として、これがあるからこそ、現代までシェイクスピアの作品が読めるのだ。


現在確認されてるのは232冊。
著者はシェイクスピア研究者で、チームを組んで世界中のファースト・フォリオを事細かに調べ、その状態を1ページづつ精査し、来歴を出来る限り調査していく。
ちなみに、日本には保有数世界二位の図書館があるのだ。


10年間の調査の過程で明らかになっていく、数々のファースト・フォリオ所有者たちの物語。
当時の知識人たちの書き込みがある一冊、精巧なファクシミリ版とハイブリッドになっている一冊、監獄の中までも手放さなかった王、あらゆる本を手に入れようとした蔵書狂、図書館から盗む輩たち……


東京の某家はチームに調査の許可を出してあげればいいのに……