Filth



『フィルス』鑑賞

トレインスポッティング」原作者として知られるアービン・ウェルシュの小説を映画化し、悪徳刑事の巻き起こす事件をジェームズ・マカボイ主演で描いたクライムコメディ。同僚や友人を陥れる裏工作や残業の不正申告が得意で、売春、不倫、アルコールやコカインにも手を出すスコットランド人刑事ブルース・ロバートソンは、ある日起こった日本人留学生殺人事件の捜査を担当することになる。初動捜査では目撃者が見つからかったその事件を解決してみせ、出世しようと目論むブルースだったが、捜査を進めるにつれて過去の自分と向き合うはめに。やがて目撃者とされる謎の女の存在が浮かび上がり……。

ジェームズ・マカヴォイ、いいなぁ。
タムナスさんやエグザビア教授、と好青年を演じてきている印象が強いけど、先日の『トランス』といい、汚れ役がかなり似合う。いい意味で薄味なんで、どんな役でも染まれる感じ。


今回はキチガイレベルに人格破綻者のダメ人間、クソ刑事を演じている。あそこまでひどいと笑うしかないんだけど、実際にそばにはいてほしくないなぁ。
上手いなぁと思ったのは、壊れたヤク中を演じるのに単に支離滅裂な言動と振る舞いをしているのではなく、感情のアウトプットがまともに機能していない様子を表現していること。無理強いされているような泣き笑いの顔は強烈。
同時に昔は有能な刑事だったのも、ただの自称ではないんだろうなぁ、という気配も見隠れする。
おでこが綺麗なんで、眉間芸も素晴らしいw


ゲイもナチも黒人も、全て大声でディスるんだけど、全て自分のことを言っているのかな?
ありとあらゆる存在をコケにし、自分の人生さえも笑いものとして扱う。お見事。