Hysteria



『ヒステリア』鑑賞

「大人のおもちゃ」として広く愛用されている電動バイブレーターの知られざる誕生秘話を描いたドラマ。第2次産業革命真っ只中の19世紀ロンドンで、若き美男子医師のモーティマー・グランビルが、女性たちを悩ませるヒステリーを治療する医療用電気器具として世界初の電動バイブレーターを開発した逸話を、軽快なテンポで描き出していく。主演は「クレイジー・ハート」のマギー・ギレンホールと「お買い物中毒な私!」のヒュー・ダンシー

電動バイブレーター誕生秘話を描いた作品。
エロと言うよりは、少々エロティック程度で、全体的にはかなりコミカルに仕上がった、チャーミングなヒストリカル・ロマンス。


19世紀ロンドン、まだ女性が抑圧されていた時代。本当に精神的な問題から更年期障害、さらには単なる性格まで、一緒くたに「ヒステリー」と呼ばれていた。
それは子宮が原因であり、治療には下腹部マッサージが効果があるとされていた。
医師は治療効果が見られるまでマッサージをしていたが、それでは一日に何人も診察できないし、自身の腕も披露が蓄積してしまう。
そこで、思いついたのが……
危険なメソッド*1フロイトユングがしかつめらしい顔をしていた時に、イギリスではこんなエロいことをしていましたよ(笑)実際は、こちらの方がもうちょい前だけど。


ヒステリーの治療→女性の性的解放→女性の権利、と上手くまとまっていて、開発者のグランヴィル医師と現代的な女性のシャーロットの二人に物語は託されていく。
開発シーンは、リアルにスチームパンクなので、そちらのご用向きにも。


冒頭に出てくる、非常に劣悪な病院が興味深く、包帯も取り替えない、細菌なんてものは存在しない、とにかく瀉血、と現在から見れば鳥肌モノの治療環境なんだけど、それがちゃんと理論(間違ってるけど)を踏まえて実践されているのが、民間療法ではなく医学なんだよね。
主人公が携わるヒステリー治療だって、今から見れば笑っちゃうけど、当時はちゃんと理屈があったわけだし。
その辺りも面白い。


ちなみに、史実では、最初は普通のマッサージ機として特許出願されたとか。