Les Miserables

『レ・ミゼラブル』鑑賞


ビクトル・ユーゴーの同名小説を原作に、世界43カ国で上演されて大ヒットを記録した名作ミュージカルを、ヒュー・ジャックマンラッセル・クロウアン・ハサウェイら豪華キャストで映画化。監督は「英国王のスピーチ」でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパー。舞台版プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュも製作に名を連ねる。パンを盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャンは、仮出獄後に再び盗みを働いてしまうが、罪を見逃してくれた司教に感銘を受けて改心する。やがて運命的な出会いを果たした女性ファンテーヌから愛娘コゼットを託されたバルジャンは、執念深いジャベール警部の追跡を逃れ、パリへ。バルジャンとコゼットは親子として暮らすが、やがて激動の時代の波に飲まれていく。

原作ミュージカルも、そのまた原作小説も、全くの未見で鑑賞。
銀の燭台盗む話だっけ?


思いの外、楽しめましたよ。
少なくとも、『オペラ座の怪人*1とは比較するのが失礼なほど、ちゃんと映画になってる。


作りは、世界と同じ大きさの大道具(海とか町とか)、カメラワークとカット割りを持った舞台劇という体裁。だから全編歌だし、背景もわざとらしいほど書割っぽい。
意外に、ここまで歌ばかりだとは思ってない観客っていたんじゃないかなぁ。
ちなみに、歌はみんないいですよ。「民衆の歌」とかあがるしね。


物語は(原作小説は知らないけど)無私の物語といえるのかな。その行為が、天国への扉に通じていると解釈した。


ところで、舞台もそうなのか、映画だからの端折りなのかはわからないけど、逃亡中にバルジャンはどうやって生活していたの? けっこういい暮らししてるし。


以下、ネタバレ気味なので、見に行こうと思ってる方はスルーで。
今更ネタバレと言うのもなんだけど。


歌に違和感を覚える人もいるかもしれないけど、これってパラロマだよね?
歴史はそっくりだけど、会話と考えてることをすべて歌にするという異世界ファンタジー
そう考えると、不自然さはすべて自然。
バルジャンがマリウスを見つけるシーンは、マリウスがコゼットのことを歌っているのを聞いて気づくわけだから、あれは、心の声ではなく、実際に歌っちゃってるんだよね。


ジャン・バルジャンって、ウルヴァリンのことでしょ? 年取らないし、力持ちだし、モミアゲ長いし、ちっちゃい女の子の世話するし、ダメ押しで、俺は誰だと自問してるし。
ここまで共通点があって、別人もないよな。
ラストは、ヒーリングファクターがバレちゃうから、死んだことにして去っていくんでしょ?


それから、ジャベールが超面白い。
まさか自分でスパイやるとは予想外で、面割れてんじゃないのと心配していたら案の定というドジっ子ぶり。
しかも、歌いながら、高いところの縁を歩くという奇癖の持ち主。
ラッセル・クロウの困った感じの顔つきがまたいいんだよね。


俳優陣もみんな良かったなぁ。
サシャ・バロン・コーエンはやはり顔長いな(笑)