The Amazing Spider-Man

『アメイジング・スパイダーマン』鑑賞
IMAXで先行上映を観てきました。



え〜!、せっかくのサム・ライミ版からリブートするの? という不満を払拭できるだけの作品になっている。少なくとも『スパイダーマン3』*1よりは確実によくまとまっている。


両親の謎、という強力な推進力で進むのかと思いきや、グウェンとのラブコメに動力を得て、ラストはリザードとのバトル、という構成。
喪失の物語であり、ピーターは肉親を、コナーズは右腕をなくしている。コナーズが喪失自体がない世界を創ろうとする暴力である一方、ピーターはそこから学び、成長していく。その成長が高校生という設定とデビューしたてのヒーローというリブートに意味合いを持たせることに成功していると思う。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」も、どうでもいいような力の誇示がきっかけとなって、悲劇を生む展開となっていて、流れとしてスマート。
また、一般人に助けてもらいながら戦っていく姿は、今風なのかな。


主人公が高校生で、ヒロインがグウェンと聞いた時から予感はしていたんだけど、やはりパラロマ(笑)ここでは異能力は恋愛の障壁ではなく、文字通り糸が、二人の結びつきとして機能している。割と早い段階で正体を明かしてしまうので、よりロマンス成分は強い。個人的にはDT臭漂うトビー・マグワイアの方が好きなんだけど、この方向性だと、アンドリュー・ガーフィールドの方がいいかな。
『トワイライト』*2みたいにしていくつもりなら、続編でMJは出すよなぁ。エマ・ワトソンが超かわいいんで、映画ユニバースではMJいないってことで、よくない?
ただ、グウェン以上に、フラッシュがかわいい(笑)あのTシャツをグッズで売ってよ。
あと、ペンキ倒されるメガネっ娘をもっと出して欲しいんですが。


上記したように、ピーターはトビー・マグワイア派なんだけど、スパイダーマンとしては、今回の方が素人ヒーロー的で好き。常に軽口を叩き、スマホを手放せない。冬季スポーツのユニフォームはヒーローっぽいよなぁ。


スパイダーマン2』*3で、スパイダーマンというキャラクターは立体的なアクションができるということを気づかせてくれた。スーパーマンでさえ、基本は直線的なアクションなのに対して、スパイダーマンはまさしく縦横無尽。今回の3Dはそれがより進化している。ただ、それを堪能できるのが終盤だけ、というのが残念。
前半の、FPS視点のアクションはもっと見たかった。


概ね高評価でいいと思うんだけど、謎は全く回収されず、物語が完結していないのが不満。終了後のおまけ映像ももやもやが残るだけ。これでコケて、続編なくなったらどうするの? まぁ、ちゃんと作るみたいだけど。
それに付随して(いるかわからないけど)、オズボーンの側近のアジア系の男が、後半まるで出てこなくなるのも、なにか説明が欲しかった。


心配している人もいるかと思うんで、ちょっとネタバレしちゃうけど、スタン・リーはちゃんと出てくるので心配御無用(笑)


ちなみに、最初はオズボーンビルとスタークタワーが同居している風景が予定されていたそうだけど、残念ながらそれは実現せず。しかし、ソニーもマーベルもクロスオーバーには否定的ではないようで、もしかしたら将来的には、『アベンジャーズ』と世界観の共有もありうるのかもしれない。