THE MURDER ROOM

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち

未解決事件(コールド・ケース)―死者の声を甦らせる者たち

1990年、ウィリアム・フライシャー、リチャード・ウォルター、フランク・ベンダーの3人は、未解決の事件を独自に調査する「ヴィドックソサエティ」を結成する。彼らは、それぞれ、元FBIエージェントでアメリカ税関職員、元警察署の心理学者、法医学アーティスト。月に一度集まっては、過去の残虐な未解決事件を独自に調査し、解決に導いてきた。そんな凄腕のプロファイラーたちの名推理を描いたノンフィクション。

警官や研究者など犯罪と戦うプロ、それも一級のプロたちが集まり、発生から2年以上たった未解決事件を独自に調査する〈ヴィドックソサエティ〉。
穴だらけの事件当時の捜査をこき下ろし、天才だと自負する犯人を打ち砕き、被害者家族には友情を育みながら無償で支えていく。
これだけで、アメリカの連続ドラマ並みに引き込まれるんだけど、しかも、ノンフィクションときた!


その〈ヴィドックソサエティ〉の創立者3名の半生と、メンバーたちが手がけた事件が語られていく。
創立メンバーの中でも特に二人が主人公で、コミック的と言えるほどキャラが立っている。
フランク・ベンダー。犯人の十数年後の顔を予想して、胸像を創り上げる法医学アーティスト。ぶっきらぼうな言葉遣いに、無類のセックス好き。幽霊が見える。
リチャード・ウォルター。冷静沈着なプロファイリングの達人。ニコチン中毒で、趣味はピアノ。「結婚などという失敗は2度と繰り返したくない」と断言。見た目もホームズのようだが、そう呼ばれるのを嫌う。ベンダーとは正反対で喧嘩も多いが名コンビ。
ビル・フライシャー。FBIを経て、米国税関局の特別捜査部長補佐。ポリグラフと尋問の世界的権威。ジョークが好きな太っちょで、ウォルターとベンダーをつなぎとめる。〈ヴィドックソサエティ〉の創設者。


この本にかぎらず、面白いノンフィクションの常で、エピソードてんこ盛りで、ホントにノンフィクションかよ? とはよく思うんだけど、個人的にはそれこそがノンフィクションの証で、フィクションなら、もっと効果的にエピソードを配置すると思うんだよね(笑)
ジョン・リスト逮捕の話は、TVで見たことあるなぁ。


ただ、なんと言えばいいのか、なんか自分が好きなタイプのノンフィクションではないんだよなぁ。筆致のせいなのか、内容のせいなのかわからないんだけど。
琴線に触れる面白エピソードは多いものの、実録犯罪ものという感触が強い。
まぁ、非常に面白い一冊ではあることは違いないんだけどね。


それにしても、去年からノンフィクションの当たりが続くなぁ