CONTAGION

『コンテイジョン』鑑賞


新種の伝染病のパンデミックを描いた群像劇。


物語は淡々としていて、ヒーローや映画的カタルシスがないだけに、感染が広がっていく世界に現実味がある。
恋人に便宜を計ってしまうCDC(米国疾病予防管理センター)代表、最前線にいるからこそ感染にさらされる調査官、自分だけが免疫があり妻子を亡くす夫……。キャラクターに目を向けなくとも、事態を過小評価したがる政治やスーパーの買い占めは、日本人は経験したばかり。


題名どおり、「感染」そのものが主人公であり、キャリアーたちの手と触れたものを追っていくカメラが非常に恐ろしい。それを意識することは不可能で、けっして自分も逃れられないことを実感させられる。
また、噂の「感染」も脅威としてしっかり描かれていて、その感染力はウイルス以上でCDCやWHOでも止められない。扇動するネット情報に代替医療、それを求める民衆。これも記憶に新しい。


結論としては、手を洗えってこと。あと、誰にも言っちゃダメ、は信用するなということ。


SARS禍がモデルだと思うんだけど、『史上最悪のウイルス』*1を読むと、日本は病的な病気恐怖症のために巻き込まれずに済んだことが実感できるけど、次は果たして……