Blue Valentine

『ブルーバレンタイン』鑑賞。


ジャンルを問わず、恋愛ものは結ばれて終わるものがほとんど。しかし、当然人生はその後も続くわけで、その中には別れもある。言うなれば、この作品は嫌な『ラブプラス』(笑)


出会ってから結婚までの、ラブラブでロマンティックな数カ月と、別れの一日が、シャッフルされて語られていく。
厳格な父のもとで育ったからこそ、飄々としたディーンに惹かれたシンディ。彼は変わっていないんだけど、その同じ部分が気に障り始めた5年後。
どんな時でも視線を合わせているあの時と、何をやっても目を合わせない現在。ちょっとした疲れた仕草が、ほとほと嫌気が指しているんだけど、それでも彼を嫌いになりきれないシンディの情を見事に表している。アドリブを多用していて、撮影前に二人は3週間同居し、常に言い争いをするように命じられていたらしく、鈍いながらも一触即発的な空気が漂っている。
旦那が嫌なのは分かるけど、嫁もそれを今言うなよ、という感じ。
倦怠感の中、ある出来事によって、別れが決定的になるんだけど、それまでは気持ちが通じてなくても画面の二人は同じ大きさ。しかし、出来事の後ではディーンの顔のアップに対して、シンディは全身のショット。これが言葉だけでなく、気持ちも完全にすれ違っていることを表しているんだよね。ところで、あの医者、最悪じゃね?
エンドクレジットを見た限りでは、かすかに希望が残ってるのかな? と思うんだけど、連れは完全に別れるという感想。まぁ、男の方がロマンチストだよね(笑)。ただ、ディーンの歌を聞くと、男の独りよがりとも思えるし……


また、撮影期間が30日ほどなのに、二人の老けっぷりも素晴らしい。特にディーン役のライアン・ゴズリングは頭も薄くなっちゃって、すっかりおっさんに。ちなみに『ラースと、その彼女*1のラース役の俳優。


意見を言い合いたくなるので、複数人で行くことをオススメ。