世界コミックスの想像力

『世界コミックスの想像力 グラフィック・ノヴェルの冒険』小野耕世青土社
ユリイカに連載されていたエッセイの単行本化。


まさに知られざる世界のコミックスだけでなく、誰もが知ってる『ポパイ』や『ドナルドダック』にも言及。
ひじょうに読みやすい上に、勉強・参考になること多数。
ポパイの腕は解剖学的におかしい、なんて指摘されるまで思いもしなかったよ。『BILLY BAT』はウォルト・ディズニーとカール・バークスのことか。これも恥ずかしながら知りませんでした。
紹介されている作品では、『ITO』が見たいなぁ。廉価版はないのかしら? あとは『しわ』とフランス語版『赤色エレジー』も手にしたい。


マンガ・アメコミ・BDを語る本は、片方を貶める比較論が出てくることが多いけど、別物なんだから、それそれに面白いでいいと思うんだよね。
その点、さすがは小野先生。オルタナファンタスティック・フォーを同時に愛で、BDもマンガも等しく語る。まさか『変ゼミ』まで言及されているとは(笑)あれ*1とは大違い。


好きな方は黙ってても読むだろうから、『アライバル』*2とかで海外のコミックに興味が湧いた方にオススメ。