The Social Network

『ソーシャル・ネットワーク』鑑賞


Facebook」創設者マーク・ザッカーバーグの、実話を元にしたドラマ。
いないとは思うけど、実話として見ちゃうと、見方が鈍るかも。
ラストで言われるように、まさに真相は藪の中で、決めるのは観客という構成と撮り方は巧み。


今現在の『ハッカーズ』*1という印象。物語的には訴訟もので、現在と過去、二つの訴訟を交互に描いていくことによって、親友としてのエドゥアルド、アイデアを盗まれた側のウィンクルボス兄弟、そしてマーク自身の視点で、彼の人物像を浮かび上がらせていく。


現実はわからないけど、映画上では、パクッたようには見えないんだよね。そもそも、SNSはすでに存在していたわけだし、ウィンクルボス兄弟との対面がきっかけにはなったのかもしれないけど。何より、彼らの考えていた出会い系はダサ過ぎる(笑)
一方、訴訟を起こしても、彼への友情は捨てられないエドゥアルド視点では、確かに裏切られて可哀想なんだけど、客観的に見ると、最初からマークと意見が平行線なんだよね。


マークはアスペルガーのボーダー(らしい)だけど、やはり作品ではそこまで顕著には描かれてないかな。袂を分かつときなんか、ちゃんと傷ついてるように見えるし(というのも観客の勝手)。
個人的には、マークは常人とはクロック数が違いすぎて、他人からは奇異に見えてしまう孤高の天才の物語。まぁ、実際一緒にいたら、嫌な性格だと思うけど(笑)。彼の視点ではただひたすら、「Facebook」をパワーアップしていきたいという欲求があるだけで、他のものは興味がない。それに比べれば、金儲けも女も不純物。ついに、同じスペックを持ったショーン・パーカーと出会い、心酔していくが……という感じ。


また、時代の変化を見せてくれる物語でもある。ハーバードのセキュリティ管理者や学長、アクセス数に驚く女性など、彼らの知っていた時代とは圧倒的にスピードが上がっていることに気づいていない。


いくつもの見方ができるけど、上記したように、事の真相はわからない。
マークが、全てを仕組んだ陰謀家なのか、それとも人付き合いが苦手な天然ちゃんなのか、それを同時にラストに持ってきたのが上手いんだよなぁ。


いろいろ確認したいんで、もう一度行ってもいいかも。
あと、高校卒業してもジョックとナードが延々と続くのね。アメリカは嫌だな(笑)