十三人の刺客

(『キリングジョーク』*1+『300』*2)×『シグルイ*3って感じ。
アメコミ?
いやいや、『十三人の刺客』鑑賞。
先日のタマフルで気になったんで、珍しく邦画に足を運ぶ。



普通に面白いですよ。前半の残酷描写、後半の合戦シーンと飽きさせない。
まぁ、この手の映画にありがちな、メンバーの半分くらいは見分けつかないっていう瑕はあるけど。一言でいいから、キャラ立ちさせるエピソードを入れて欲しかった。
でも、それを補って余りあるのが、稲垣吾郎演じる松平斉韶の存在。
近年稀に見る最悪最凶の暴君。その佇まい、台詞がいちいち嫌悪と共に魅力的。彼が国のトップに立てば、確実に地獄の釜が開く極悪っぷり。同時に、斉韶は、戦もなく、ただ威張っているだけの侍が支配する世界が狂っていることも、自分がそれを体現していることも知っているキチガイだから、その発言は正論となる。
一方で、民のために立ち上がった島田新左衛門たち13人も、泰平の世で生き方を失い、武士としての死地を得て歓喜する狂人たち。
新左衛門が村を背に、斉韶が戦火を背にして対峙するラストは、『キリングジョーク』を彷彿とさせる。


とにかく、松平斉韶は必見。特に『シグルイ』の忠長ファンにはオススメ(笑)『ヘルシング』の少佐にも近いかも。