2008年12月号

今月は、「秋のファンタジイ小特集」


翻訳は3本。
・「もろびと大地に坐して」……コニー・ウィリス
 本年度ヒューゴー賞受賞ノヴェラ
 地球にやってきた6人のアルタイル人。
 しかし、彼らは怒ったように顔をしかめたまま、ただ立っているだけ。
 あらゆる検査をするが反応がない。
 ある日、クリスマスソングを聴くと、突然座り込み……
 いつもながらウィリスのクリスマスストーリーは楽しい。
 で、ラストはやはりラブコメ
 ラブコメなんか、興味ないんだからねっ!


・「両替官とアイアン卿」……ダニエル・エイブラハム
 ヨーロッパ某国の両替官。
 真面目に働く彼だが、ある日、残酷な貴族が暇つぶしで、
 見たこともない通貨をポンドと交換しろと言ってきた。
 勝手に価値を決め手も行けないし、24時間で出来なければ免許を剥奪するという。
 機転でその難問を潜り抜けたものの、数ヶ月後、今度は……
 これは、とんち咄系でひじょうに好み。ラストもいいし。
 個人的には、今年度のベストの一つだなぁ。


・「〈変化〉後の北公園犬集団におけるトリックスター伝承の発展」……キジ・ジョンスン
 突然動物たちが喋り始めた世界。
 犬たちの多くは飼い主から捨てられ、公園に住んでいた。
 しかし、衛生的によくないと、、処分されることになり……
 イヌの話です。という犬たちの物語の書き出しがかわいい。
 これは題名がいいよなぁ。
 挿入されるイヌの話が徐々に観念的になり、神話として成熟していく様が見所。


「大森望のSF観光局」に、野田昌宏さんを偲ぶ会。


「デッド・フューチャーReMix」は、スペースコロニー続き。


「SF挿絵画家の系譜」は、畑農照雄
この人は大好きなイラストレーターの一人。


「サはサイエンスのサ」は、経済。


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、TV局からのお願い。馬鹿すぎる(笑)
香山リカは、金融危機


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"Endra-From Memory"チェルシー・クイン・ヤーブロ
"Little Lost Robot"ポール・マコーリイ
が面白そう。


来月はウィリアム・ギブスン特集