THE WINDS OF MARBLE ARCH and other stories

[rakuten:book:13048939:detail]
『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス早川書房プラチナファンタジイ〉
日本オリジナル短篇集。半分既読。


収録作品
・「白亜紀後期にて」In the Last Cretaceous
 どんどん予算が削減される古生物学部。
 老教授は絶滅した説を延々と授業し、駐車場は常に見つからない。 
 一致団結すべきだが……
 個人的には「からさわぎ」の方が好きかなぁ。
 

・「ニュースレター」Newsletter
 ナンの一家・親戚は、毎年長いクリスマスレターを書いている。
 書くことがたいしてない彼女は今年も内容に頭を悩ませる。
 そんな中、想いを寄せる同僚が、クリスマスシーズンなのに、みんないい人になっている、と言ってきた。
 二人は、宇宙人の侵略だと疑い、調べ始めるが……
 クリスマスレターって、イマイチわからない。
 日本で言う、年賀状みたいなもの?


・「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」deck.halls@boughs/holly 
 lリニーはクリスマスプランナー。
 クリスマスも近いある日、資産家らしい老婦人から依頼を受ける。
 彼女はクリスマスらしいクリスマスを送りたいとのこと。
 甥はプランナーを雇うことに反対らしいのだが……


・「マーブル・アーチの風」The Winds of Marble Arch
 例会に参加するため、20年ぶりのロンドンを訪れた夫妻。
 愛する地下鉄に向かったトムは、そこで爆風のようなものを感じる。
 しかし、他には誰も感じていないらしい。
 会場で、旧友たちに出会うが、耳にするのは病気や離婚という話題ばかり……


・「インサイダー疑惑」Inside Job
 オカルト批判の雑誌を発行するロブが、助手のキルディに誘われて行ったインチキ女霊媒師が、突然お客たちに暴言を吐き始める。
 それは、オカルトやニセ科学を批判していたジャーナリスト、H・L・メンケンの霊が取り憑いたのだった!
 本人しか知らないようなこと喋るものの、それを信じるわけにはいかないロブだが……


「最後のウィネベーゴ」のように、滅び行くものへの愛、その抵抗を描く作品がある一方で、SFガジェットや皮肉っぽいくすぐりを織り交ぜつつ、オチはコテコテのラブコメ、そしてドタバタ、という作品との匙加減がいい感じ。
そんなわけで、個人的お気に入りは「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」と「インサイダー疑惑」
べ、別に、ラブコメが好きっていうわけじゃないんだからねっ!