REDEMPTION ARK

[rakuten:book:13022315:detail]
『量子真空』アレステア・レナルズ〈ハヤカワSF1674〉
最近は、400頁超えると「めんどくせぇ〜、頁をめくるのもめんどくせぇ〜」という状態になってるにもかかわらず、次はどんだけの厚さになるの? というMっ気な期待感を持ってしまう〈レヴェレーション・スペース〉最新刊。

数世紀の深宇宙探査に向かっていたガリアナが戻ってきた。しかし、その脳は未知の知性体に寄生されており、それが全人類を滅ぼそうとしていることを知った連接脳派は最新の近光速宇宙船による脱出と、さらに何者かによって奪われた〈隠匿兵器〉の奪取を計画。しかし、連接脳派だけが助かろうとすることに反対したクラバインはたった一人で、〈隠匿兵器〉を見つけようと孔雀座デルタ星系へと向かう。一方、殺戮機械インヒビターの注意を引いてしまったことに気づいたアナとイリアは、リサーガム星の住人をインフィニティ号によって救出しようとするが……

啓示空間 (ハヤカワ文庫) [ アレステア・レナルズ ]』の続編。前作で生き残ったアナとイリアが主人公。それと同時に、「火星の長城」などのクラバインやフェルカがもう一方の主人公(というかこちらがメイン?)。また、今までのシリーズで登場したキャラクターや出来事が語られるんだけど、名前だけは記憶にあるものの、詳細をほとんど忘れてる……。豚のスコーピオって、どっかで出てきたよね?
実は、このシリーズけっこう好きなんだけど、毎度のことながら、やはり薄味。見た目は、縦か横かわからんビフテキ並なんだけど、食べ応えはプレスハム大量、という感じ(笑)
ガジェットとエピソードの連続で飽きさせないし、それなりに面白いものの、どうも没入しきれない。意外な真相も、ラストで二つの軸が交わっても、いろいろな謎を残したままつづく、でも、イマイチ感慨がないんだよなぁ。質量的に重いから、手が解放されたことだけで脳が満足してるのかも。
ただ、インヒビターの目的が明らかにされ、その行く末はかなり楽しみ。「銀河北極」での崩壊(うろ覚え)とつながるの? また未来からの通信もまだ何か含んでいそう。
個人的には、短篇の方が凝縮されていて好きだなぁ。
あとがきにあった新製本技術がいちばん面白かったかも(笑)