SILVER NAILS

ウォーハンマーノベル シルバーネイル (HJ文庫G ジ 1-1-4)

ウォーハンマーノベル シルバーネイル (HJ文庫G ジ 1-1-4)

ジュヌヴィエーヴ関連の短篇集


 収録作品
・「赤い渇き」Red Thirst
(最初の)ドラッケンフェルズを倒した直後。世間は、グリンカによる道徳向上運動が世間を支配しつつあった。あらゆる娯楽を禁止する道徳向上十字軍。しかし、彼を暗殺する陰謀を知ったジュヌヴィエーヴは、それがオールドワールドにさらに混乱を引き起こすと悟り、暗殺を阻止しようとするが、一緒に捕まっていたヴコティッヒと行動を共にしなければならず……
ジュネが中国拳法を使ったり、五大精霊を相殺させて倒したり、なかなか笑いどころ満載。
『ベルベットビ-スト』*1で出てきたチン・ディエンが活躍。


・「灰色山脈にもう金はない」No Gold in the Grey Mountains
金塊を狙って馬車を襲った盗賊団。しかし、そこには一人の少女が乗っていただけ。彼女を人質に身代金を手に入れようと考えるが……


・「もの知らぬ軍勢」The Ignorant Armies
混沌の軍勢にさらわれた弟を取り戻すため、シカトリスを追うヨハンとヴコティッヒ。彼らはとある村に着くが、村人たちは皆どこか狂っており、そこでは毎晩、混沌の戦士たちが戦争を繰り広げていた!
『ベルベットビ-スト』で語られたヨハンとウルフの過去の話。クレインザックはなかなかグロテスクでいいキャラ。村人たちは『2000人の狂人』みたいにもっと狂ってて欲しかった気も。


・「ウォーホーク」Warhawk
帝都では鷹を使った連続殺人事件が起きていた。ハラルドとロザンナは犯人を追うが、まるで手がかりがない。はたして、犯人の目的は?
『ジュヌビエーブ』*2の途中にちょっと出てきた、殺人鷹を主役に据えた作品。


・「吸血鬼戦争ふたたび」The Ibby the Fish Factor
デトレフがジュヌヴィエーヴと別れてから10年。帝都では、モール教団急進派による激しい吸血鬼弾圧が行われていた。このままでは吸血鬼戦争が再び起こってしまうため、メリッサから招集され、ジュヌヴィエーヴは彼の前に現れる。彼女は急進派に潜入するが……
5本の中では一番面白かった。でも、これは長篇にして欲しかったかなぁ。これだけだと、「赤い渇き」と似てるんだよね。
なんと言っても、メリッサがいいんだけど、もっとおばあちゃん少女っぽく訳してもらいたかったもの。


全体的に薄味で、外伝としても食い足りないんだけど、もっと彼らの冒険が見たかったら自分たちでプレイしてみて、てこと?
混沌の軍勢とか読んでると、メタルフィギュアを集めていた頃のことを思い出す……
個人的には、ジュネがキャセイとニッポンにいた頃の話とか読みたかったなぁ。
どうしても、『ドラキュラ紀元』のイメージがあるから、オタクネタがないと感じが出ない。まぁ、ウォーハンマーノベルってだけで、十分オタか(笑)
キム・ニューマン作品も、どっか出してくれないかな〜