THE TERROR

ザ・テラー 極北の恐怖(上)

ザ・テラー 極北の恐怖(上)

ザ・テラー 極北の恐怖(下)

ザ・テラー 極北の恐怖(下)

『ザ・テラー ―極北の恐怖―』ダン・シモンズ〈ハヤカワNV1156、1157〉

1845年5月、北西航路の最後の部分を見つけるため、サー・ジョン・フランクリンに率いられて出航した〈エレバス〉と〈テラー〉。しかし、翌年の9月には氷に閉じ込められ、動けなくなってしまう。極寒の中、巨大な怪物が現れ、次々と隊員たちを殺していく。フランクリンも死に、〈テラー〉のクロウジャー艦長が跡を継ぐ。氷に閉じ込められ、2年が経ち、彼らは船を捨て、徒歩で陸を目指すことにする。だが、怪物の影、飢え、さらには反乱を企てる者たちも。探検隊は生き残れるのか?

史実を元に描かれたホラー。
船外は死の世界で、しかも、怪物は神出鬼没。北極版『エイリアン』的なものをイメージしていたんだけど(近からず遠からず)、怪物の存在より、極寒、船を締め付ける氷、痛んでいた缶詰、壊血病、もろもろの極地探検の悲劇の方がメインに描かれていて、そちらの方がよっぽどホラーで、読んでいて疲れてしまいました。
ラストと怪物の正体はかなり意外。こういう落とし方とは思ってなかった。
怪物がサイレンスで演奏するシーンが、不気味でかなり印象的。
冬にオススメの作品。