THE [WIDGET], THE [WADGET], AND BOF and other stories
[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)
- 作者: シオドアスタージョン,若島正,Theodore Sturgeon
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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奇想コレクションのスタージョンもこれで3冊目。6作品中初訳は3作。
・「帰り道」A Way Home
家出しようと道を歩く少年。
そこで、故郷を捨て、華々しい活躍をしている男たちに出会う。
「故郷」への想いが伝わる短篇。
・「午砲」Noon Gun
さえない女の子と付き合う青年。
バーに入り、柄の悪い男に絡まれ、びくびくしたり、強がったり……
・「必要」Need
とある小さな町。
気味の悪いゴーウィングという男は、その町の人々が必要としているものがわかるという。
彼はそれによって金を稼いでいたりするのだが……
このゴーウィングって、別に聖人じゃないよね?
必要を見つけてあげるのも、自分の必要のためなんだし。
・「解除反応」Abreaction
初訳。
ブルドーザーに乗った男。
自分が今どこにいるのかわからない。
さらには、自分の名前も……
「海を失った男」に連なる作品。
それにしても、スタージョンはブルドーザー好きだなぁ(笑)
・「火星人と脳なし」The Martian and the Moron
初訳。
物凄い美女と付き合うことになった青年。
しかし、彼女は、彼のオウム返しのことしか口にしないことに気づく。
父にそれを指摘され、試すと……
ドタバタ系。
・「[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ」The [Widget], The [Wadget], and Bof
初訳。
シナプス・ベータ・サブ16の調査にやってきた異星人。
下宿に地球人のサンプルを集め、観察を始めるが……
スタージョンのテーマである、「一人は寂しい」「普通ではない」「人間観察」の集大成のような作品。
ハルヴォーゼンが自分に気づくシーンは泣ける。
編者が『海を失った男』と同じなので、セレクションも似てるかな。
前2冊ほどは、はまらなかったかなぁ。
個人的には『不思議のひと触れ (シリーズ 奇想コレクション)』が一番好き。