NOCTURNE POUR ASSASSIN

『殺人交差点』フレッド・カサック創元推理文庫205−13〉
『連鎖反応』が併録

・『殺人交差点』NOCTURNE POUR ASSASSINいつも一緒にいる6人の仲間。仲間の恋人でも手を出さずにはいられない女たらしのボブが、ヴィオレットと愛し合っているのを目撃し、発作的に彼を刺し殺し、ヴィオレットも絞殺してしまう。お互い殺し合ったように見せかけると、誰もそれに疑いをもたず、事件はそのまま捜査終了。そして、10年が経ち、時効直前になって、一人の男がフィルムを持って現れる。そこには殺人の様子がしっかりと写っていた。彼は、ボブを溺愛していた母親にもコンタクトを取っており、競売でより多く出した方に証拠を売るというのだが……

今だと使い古されたトリックなのかもしれないけど、あんまりミステリは読んでないんで、「なるほど〜」と読み返してしまいました。
当然、原著(フランス語)の方が上手く騙られているようだけど、翻訳の方も言葉を選んで、考えられている。よく組み立てたよなぁ。
なかなか楽しめました。
旧版は途中でネタバレしているらしく、探してみようかしら(笑)

・『連鎖反応』CARAMBOLAGES
結婚が決まったジルベールは、愛人に別れ話を切り出すが、愛人は妊娠していて、産むつもりだという。婚約者にばれるわけにはいかないが、情のあった愛人を殺すことも出来ない。しかし、両方を養うほど稼ぎはよくない。今の課長補佐から、昇進できればいいのだが……。そこで彼が思いついた殺人計画とは?

こちらは、そんな馬鹿な、と言った風で、けっこう笑える。てっきり、行き着くとこまで行っちゃうのかと思った。主人公が頭悪いというか、なんか不器用で、笑っちゃう。語り手がまた一捻りしてて、ラストでニヤリ。
『殺人交差点』にも出てきたソメ警部が再登場するんだけど、ホント役に立たないな(笑)


両方とも楽しめて、未読の方はオススメ。