DOGWALKER

世界の涯まで犬たちと

世界の涯まで犬たちと

『世界の涯まで犬たちと』アーサー・ブラッドフォード〈角川書店〉読了
以前、S-Fマガジンに掲載されたブラッドフォードの短編集

 収録作品
・「キャットフェイス」Catface
・「軟体動物」Mollusks
・「テキサス盲学校」The Texas School for the Blind
・「冬を南で」South for the Winter
・「マットレス」Mattress
・「アラン・マシューズの家」The House of Alan Matthews
・「六匹の犬のクリスマス」Six Dog Christmas
・「ビル・マクウィル」Bill McQuill
・「スノウ・フロッグ」The Snow Frog
・「リトル・ロドニー」Little Rodney
・「ピーチ・トリップ」Beach Trip
・「チェインソー・アップル」Chainsaw Apple
・「ドッグズ」Dogs
・「ロズリンの犬」Roslyn's Dog

なんと言うんだろう。
あらすじを書くと、魅力が漏れそう。
魅力と言っても、物凄いことは起きないんだけど。
作者の分身らしき主人公や友人たちは、ちょっと社会の底辺風の生活。でも、決して卑屈にも、逆に頑張ろうとも思わず、その生活に満足して暮らしている。異様な出来事が起きても、いつもの生活。
かなりダメなんだけど、あまりにも淡々と日常に着地するんで、ラストで思わず笑っちゃう。「そんなんでいいの!?」って感じ。
何かに似てると思ったら『ナポレオン・ダイナマイト*1か。あの愛すべきダメさ加減。
みんないいんだよなぁ。
個人的お気に入りは、「キャットフェイス」・「アラン・マシューズの家」・「マットレス」・「スノウ・フロッグ」・「チェインソー・アップル」・「ドッグズ」あたり。
中でも、「スノウ・フロッグ」・「ドッグズ」はかなり奇想系のエピソード。
ベストは、甲乙つけがたいけど、「チェインソー・アップル」かなぁ。
変な小説好きにはオススメの一冊。