エバは猫の中
エバは猫の中―ラテンアメリカ文学アンソロジー (サンリオ文庫)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,木村栄一
- 出版社/メーカー: サンリオ
- 発売日: 1986/12
- メディア: 文庫
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ラテアメ・フェア第二弾
収録作品
・『アランダ司令官の手』……アルフォンソ・レイエス
・『波と暮らして』……オクタビオ・パス
・『犬が鳴いてないか』……ファン・ルルフォ
・『生活費』……カルロス・フエンテス
・『カナリアとペンチと三人の死者のお話』……ホルヘ・イバルグエンゴイティア
・『包誠(パオ・チエン)による歴史』……サルバドール・エリソンド
・『遊園地』……ホセ・エミリオ・パチェーコ
・『ミスター・テイラー』……アウグスト・モンテローソ
・『エバは猫の中』……ガブリエル・ガルシア=マルケス
・『イシチドリの夜』……ガブリエル・ガルシア=マルケス
・『記章』……フリオ・ラモン・リベイロ
・『薔薇の男』……マヌエル・ローハス
・『閉じられたドア』……ホセ・ドノーソ
・『羽根枕』……オラシオ・キローガ
・『水に浮かんだ家』……フェリスベルト・エルナンデス
・『旅行者-1840年』……マヌエル・ムヒカ=ライネス
・『パウリーナの思い出に』……アドルフォ・ビオイ=カサレス
・『追い求める男』……フリオ・コルタサル
ファンタジーでも、ホラーでもなく、でも、超自然的存在を全く不思議がらない作品が多いんだけど、そういう風土?
あと、突然ぴしゃりと閉められてしまうような、まるで疎通できていない時には残酷なラスト。でも、なんか笑っちゃう。
個人的にお気に入りは、
・『波と暮らして』
波に愛された男。
彼女とアパートで暮らすようになるのだが……
波って!(笑)
ラストも、それまでの感情をぶった切るようでいいなぁ。
・『包誠(パオ・チエン)による歴史』
未来視した包誠。
彼は、そこにある文学者を見る。
入れ子構造のような作品も多い印象。
・『ミスター・テイラー』
干し首ビジネスを始めた男。
どういうわけか、それは見る見る巨大化し……
ミイラ好き、特に干し首好きとしては見逃せない作品(笑)
・『エバは猫の中』
何世代にもわたって美貌を受け継いできた女性。
それは皮膚の下に虫が這うような苦痛を伴っていた。
しかし、ある日……
・『記章』
正体不明の記章を拾った男。
気に入って服につけていると、秘密の集会に誘われる。
わけがわからないまま参加すると……
『プリズナーNo.6』みたいな話。
・『閉じられたドア』
寝てばかりいる少年。
彼は、夢の中で閉じられているドアを見ていて、
その向こう側に行ければ最高の幸せがあると考えていたが……
・『羽根枕』
新婚の妻。
しかし、体調が悪くなり、日に日に痩せていく……
これは内容はよくあるホラーなんだけど、ラストでツッコミ。
十分に珍しいよ(笑)
・『水に浮かんだ家』
水に浮いた家に暮らす太った未亡人。
彼女の話し相手として雇われた男。
風変わりな彼女だが、徐々に彼女のことを理解し……
これもラストがかわいそうで笑っちゃいました。
特に気に入ったのは、『包誠(パオ・チエン)による歴史』・『ミスター・テイラー』・『エバは猫の中』・『記章』かな。