THE CODE BOOK

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『暗号解読』サイモン・シン〈新潮社〉読了

ロゼッタ・ストーンから量子コンピュータまで、暗号作成者と解読者たちの物語。

失敗した〜


歴史を変えた暗号解読に焦点をあてたノンフィクション。
やはり、エニグマは燃える。ドイツの侵攻が明白になったポーランド情報局の行動に涙腺やられます。エニグマ攻略に大きな役割を果たしたチューリングの晩年がまた泣ける。これはエニグマだけの本を読みたいなぁ。
アメリカのナヴァホ・コードもよかった。これについての本って翻訳されてないのかしら?
もちろん、最初のサイファー・パンクのデフィー、RSAの三人組、PGPのジマーマン、GCHQのエリスのエピソードも大きく扱われている。何度読んでも来ますな。
ビール暗号は初めて知ったんだけど、歴史のないアメリカらしい神話で面白かった。
暗号ではないんだけど、アプローチは全く同じということで、ロゼッタ・ストーン線文字Bの物語も載っている。かなり興奮。
量子論の重ね合わせと多世界解釈って違うものだったのね。何度読んでも脳が拒絶するけど。
エピソードはもちろん、暗号の解き方もわかりやすく説明してあって、さすがはサイモン・シン


で、何が失敗かって?
ティーブン・レビーの『[rakuten:book:11038778:title]』を先に読んじゃったのはまずかったなぁ〜
『暗号解読』は数千年の暗号の歴史を描いているのに対して、『暗号化』はコンピュータ、ネットワーク・セキュリティのみに焦点を絞っているから、ひじょうに濃度が高いのは当然のこと。カッコよすぎて男泣きに泣きます(『ハッカーズ』もオススメ)
だから、概説として『暗号解読』を先に読んで、それから各エピソードを詳しく書いた本を読むべきでした。
サイモン・シンだから当然知的興奮は十分に味わえるんだけど、『フェルマーの最終定理 (新潮文庫) [ サイモン・シン ]』『ビッグバン宇宙論(上) [ サイモン・シン ]ビッグバン宇宙論(下) [ サイモン・シン ]』に比べるとちょっと薄味。